- 2018年 集団訴訟の問題
- 2018年 接骨院の開業要件変更による新規開業件数の減少
以上2点の逆境にも関わらず、業績は減少傾向にあるも主要事業「ほねつぎチェーン」の店舗数が増加しているのはなぜ?
と思い、今回調査してみました。
アトラ株式会社の基本情報
アトラ株式会社 |
【URL】https://www.artra-group.co.jp/ |
【決算】12月 |
【設立】2006.2 |
【上場】2014.12 |
2015年に大阪で誕生した鍼灸接骨院向けの開業支援コンサル業、機材・消耗品販売等の販売で開業。
その後、クチコミ予約サイト「ハニースタイル」や、接骨院「ほねつぎチェーン」、接骨院の請求サービス「アトラ請求サービス」など垂直的に事業展開。
アトラ株式会社の売上
2020年12月期時点で、売上の主力は機材、消耗品販売事業。
ネット通販サイト「アトラストア」を運営。
上場から2017年度まで売上高は右肩上がりで成長してきたが、その後は現在まで売上高が「機材、消耗品販売」事業を中心に減少傾向。
一方で、「アトラ請求サービス」と「介護支援、その他」事業が2017年度以降も成長。
代表取締役社長 「久世 博之」の経歴
―職歴―
2000年4月 八幡屋整骨院 勤務開始
2003年5月 株式会社トライニン 取締役
2005年1月 有限会社權左ヱ門(現 アトラ株式会社 )設立 代表取締役(現任)
2006年4月 株式会社トライニン 代表取締役
2007年6月 同社 取締役
2018年3月 アトラ株式会社 代表取締役社長 CEO
引用:社長・役員の経歴
2000年から大阪の接骨院で柔整師としてキャリアをスタートされています。
大阪市議選港区の新しい候補(予定者)#きゅうせ博之 さん #大阪維新の会 » アトラ株式会社 久世博之|鍼灸接骨院業界に新しいビジネスモデルを導入、伝統的な鍼灸術・柔道整復術を生かした企業展開を図る|経営者インタビューサイト LEADERSFILE https://t.co/kZlzNdaepP
— 杜若小野 (@ihosoe2025) March 9, 2019
2019年4月に行われた大阪市議選挙に出馬しています。
結果的に落選となりましたが、上場企業の代表が出馬するというのはかなり珍しいケースです。
ほねつぎチェーン事業
契約期間が6年ということもあり、加盟院数は引き続き増加。
2018年の集団訴訟問題直後は一時減少しましたが、現在は増加傾向。
その要因は、新たに始まった「リニューアルモデル」。
「ほねつぎチェーン」の集団訴訟問題
2018年度から始まった業績下落の原因と考えられるのが、元FC加盟店10社が起こした集団訴訟です。
2018年10月10日朝日新聞
アトラ(大阪市)と契約して開業した元加盟店10社が、アトラから虚偽の説明を受けてフランチャイズ(FC)契約の判断を誤ったとして、アトラに対し総額約8億7千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に起こした。
引用:朝日新聞デジタル
この事件が、アトラ株式会社のブランドを傷つけたことは間違いなく、この印象の悪いニュースは業績に反映されてしまいました。
加盟金2,800万円のFC「ほねつぎ」
2015年12月期の決算資料に収益構造についての記載がありました。※2015年時点
ロードサイド型の大型店舗がメイン。
新規店舗開発が基本で、設備類など設定金額が高額となっている。
加盟時 | |
---|---|
加盟金 | 300万円 |
設備・器具・備品等 | 1,900万円 |
システム関連 | |
初期研修費 | 600万円 |
開業支援 | |
広告・ツール |
初期費用の合計額は「2,800万円」
月額コスト | |
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ロイヤリティ | 10万円 |
システム利用料 | 7.8万円 |
月額費用の合計は「17.8万円」
リニューアルモデルのFC開始
集団訴訟以降、新たに「リニューアルモデル」というフランチャイズパッケージの展開を開始。
加盟金は50万円で、既存の接骨院が加盟しやすいモデルとなっています。
その他の主要事業データ
アトラ請求サービス
基本的にレセコンとセットの保険請求代行のサービス。
こちらも、2018年以降成長が鈍化し、直近では会員数が減少しました。
やはり、大きな原因は業界全体の開業数の減少であると考えられます。
※2018年度より接骨院の新規開業要件が変更
HONEY-STYLE
集客ポータルサイトのハニースタイル。
2019年から接骨院の掲載無料プランが開始。その効果により、利用院数が急増しています。
アトラ株式会社を調べてみて
アトラ株式会社を調べてみると、リアルタイムの業界動向が見えてきました。
2018年度以降、新規開業件数はかなり減少していると予想されます。
アトラ株式会社では、既存の接骨院向けサービスを拡充するなどの動きが見られます。ほねつぎチェーンのリニューアルモデルもその一つです。
KATAKORYでは、今後も業界の周辺企業の動きにも注目していきます。