柔道整復師の給料・年収は約430万円|年齢・規模別の実態【2026年】

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柔道整復師の給料・年収は、実際どのくらいなのでしょうか。結論から言うと、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算すると、柔道整復師を含む職種区分の平均年収は約430万円(月の給与約30.4万円+賞与約66万円、平均39.9歳)です。

ただし、この数字は従業員10人以上の事業所の平均です。接骨院に多い従業員5〜9人の小さな事業所では約305万円と、職場の規模によって100万円以上の差があります。「柔道整復師は給料が安い」と言われる理由の多くは、この規模の差と、経験の浅い時期の給与の低さにあります。

この記事では、公的統計の数値だけを使って、柔道整復師の年収を年齢・経験年数・職場の規模別に整理し、理学療法士や看護師との比較、年収を上げる現実的な方法までまとめました。数値にはすべて出典を示しています。

この記事のポイント
・柔道整復師を含む職種区分の平均年収は約430万円(10人以上の事業所)
・5〜9人の小規模事業所では約305万円。職場の規模で差が大きい
・経験0年は約290万円、15年以上で約490万円と、経験で着実に上がる
・年収アップの道は「規模の大きい職場」「機能訓練指導員」「ダブルライセンス」「独立開業」

柔道整復師の年収データを見る前に:統計の読み方

国の賃金統計である賃金構造基本統計調査では、2020年(令和2年)調査から職種の分類が変わり、柔道整復師は単独の職種としては集計されていません。現在は、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師などと一緒に「その他の保健医療従事者」という区分で集計されています。

そのため、この記事で紹介する数値は「柔道整復師だけの平均」ではなく、「柔道整復師を含む近い職種の平均」です。とはいえ、国が同じ方法で毎年調査している数値なので、民間の求人サイトの集計よりも信頼性が高く、年齢や規模ごとの比較にも使えます。

年収は、統計の「きまって支給する現金給与額(残業代・手当を含む月給)×12か月+年間賞与その他特別給与額」で計算しています。

柔道整復師の平均給料・年収(令和6年賃金構造基本統計調査)

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の職種(小分類)別の統計表(e-Stat)から、「その他の保健医療従事者」の値を抜き出すと次のとおりです(一般労働者・企業規模10人以上・男女計)。

項目数値
平均年齢39.9歳
平均勤続年数9.3年
月の労働時間(所定内+残業)157時間+7時間
きまって支給する現金給与額(月給)30万3,600円
うち所定内給与額(基本給+手当)28万2,800円
年間賞与その他特別給与額65万9,000円
年収(月給×12+賞与)約430万円
労働者数(推計)約9万560人
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別・その他の保健医療従事者。年収は本記事で算出

月給はおよそ30万円、ボーナスは年66万円ほどで、ボーナスは月給の約2.2か月分です。国家資格の職種としては控えめな水準ですが、次の章で見るように、職場の規模や経験年数によって大きく変わります。

職場の規模別の年収:小規模の接骨院ほど低い

柔道整復師の年収で最も差が出るのが、勤め先の規模です。同じ統計の企業規模別の数値を比べると次のようになります。

企業規模月給(きまって支給する現金給与額)年間賞与年収(試算)
1,000人以上32.8万円83.3万円約477万円
100〜999人29.7万円65.1万円約422万円
10〜99人28.3万円45.0万円約385万円
5〜9人23.0万円28.7万円約305万円
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別(5〜9人は企業規模5〜9人の第4表)・その他の保健医療従事者
企業規模別の年収(その他の保健医療従事者・令和6年)
出典: 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

1,000人以上の大きな法人では年収約477万円なのに対し、5〜9人の事業所では約305万円と、170万円以上の差があります。特に賞与の差が大きく、小規模事業所では年29万円ほどにとどまります。

個人経営の接骨院の多くは5〜9人以下の規模です。厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例」では、令和6年末の就業柔道整復師は78,666人、柔道整復の施術所は50,924か所です。病院などで働く人も含むため単純計算ですが、1施術所あたりの柔道整復師は約1.5人にとどまります。小さな職場で働く人が多いことが、「柔道整復師は給料が安い」と言われる大きな理由と考えられます。

年齢別の年収推移:40代前半でピークに

次に、年齢階級別の年収です(企業規模10人以上)。

年齢月給年間賞与年収(試算)
20〜24歳26.8万円34.3万円約356万円
25〜29歳27.6万円63.0万円約394万円
30〜34歳28.9万円71.6万円約419万円
35〜39歳31.6万円70.8万円約450万円
40〜44歳34.4万円87.0万円約500万円
45〜49歳32.3万円67.8万円約455万円
50〜54歳31.5万円70.0万円約448万円
55〜59歳33.9万円82.7万円約490万円
60〜64歳27.7万円50.5万円約383万円
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)・年齢階級別(第5表)・その他の保健医療従事者(企業規模10人以上)
年齢別の年収(その他の保健医療従事者・令和6年)
出典: 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

20代前半は約355万円からスタートし、30代後半で約450万円、40代前半で約500万円とピークになります。その後は横ばいで、60代に入ると下がります。一般企業のように50代まで右肩上がりで伸び続けるわけではなく、30代〜40代前半のうちに役職や働き方を選ぶことが年収を左右すると言えます。

経験年数別の給料:初任給と経験による伸び

経験年数による違いも見てみましょう。ここでは残業代を含まない「所定内給与額」をもとに計算しています。

経験年数所定内給与額(月)年間賞与年収(所定内×12+賞与)
0年23.8万円3.7万円約290万円
1〜4年25.0万円51.5万円約352万円
5〜9年26.1万円61.9万円約375万円
10〜14年28.2万円65.7万円約404万円
15年以上33.1万円92.6万円約490万円
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)・経験年数階級別(第10表)・その他の保健医療従事者(企業規模10人以上)

経験0年の所定内給与は月23.8万円で、統計の賞与は前年1年間の支給額のため経験0年ではほとんど計上されず、1年目の年収は約290万円が目安です。経験5〜9年で約375万円、15年以上で約490万円と、経験を積むほど着実に上がります。

経験年数は、健康保険を扱う施術所を開く「施術管理者」になる条件にも関わります。全国柔整鍼灸協同組合の解説によると、受領委任を扱う施術管理者になるには実務経験3年(うち施術所で1年以上)と、2日間・16時間の施術管理者研修の修了が必要です。経験3年は、分院長や独立を目指すうえでの最初の節目になります。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

理学療法士・看護師など他の医療職との年収比較

柔道整復師とよく比べられる医療職の年収を、同じ統計・同じ条件(一般労働者・企業規模10人以上・男女計)で並べました。

職種区分平均年齢月給年間賞与年収(試算)
看護師41.2歳36.4万円83.5万円約520万円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士35.5歳31.1万円70.5万円約444万円
その他の保健医療従事者(柔道整復師・鍼灸師など)39.9歳30.4万円65.9万円約430万円
准看護師51.5歳29.4万円64.0万円約417万円
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別(第5表)
医療職の年収比較(令和6年)
出典: 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

理学療法士との違い

理学療法士などの区分は年収約444万円で、柔道整復師を含む区分(約430万円)より約14万円高い程度です。平均年齢は理学療法士などの方が4歳ほど若いことを考えると、同じ年齢で比べた差はもう少し大きいと考えられます。

大きな違いは働く場所です。理学療法士の多くは病院や介護施設など規模の大きい組織で働くのに対し、柔道整復師は小規模な接骨院で働く人が多くなります。資格の違いというより、職場の規模と賞与の差が年収の差になっていると読み取れます。業態の違いは整体・整骨院・カイロプラクティックの違いでも解説しています。

「柔道整復師の給料は安い」と言われる3つの理由

  1. 小規模な職場が多い:前述のとおり、5〜9人規模では年収約305万円。個人経営の接骨院では賞与の仕組みがないことも珍しくありません
  2. 資格者の数が増え続けている:衛生行政報告例では、就業柔道整復師は平成26年末の63,873人から令和6年末の78,666人へ10年で約1.5万人増えました。一方、施術所数は令和4年末から令和6年末でほぼ横ばいで、働き口の数に対して資格者が多い状態です
  3. 保険施術の単価が決まっている:健康保険の療養費は国が料金を定めているため、保険施術中心の接骨院では1人あたりの売上を上げにくく、給与の原資も増えにくい構造です(請求の仕組みは接骨院向けの療養費請求代行サービス・請求団体の比較参照)

手取りはどのくらい?

額面の月給から、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税が差し引かれたものが手取りです。たとえば厚生年金保険料は、標準報酬月額の18.3%を会社と本人で半分ずつ負担するため、本人負担は9.15%です。社会保険に加入していない小規模な職場では、自分で国民健康保険・国民年金に加入することになるため、求人票では「社会保険完備」かどうかも必ず確認しましょう。

柔道整復師を目指す人へ:国家試験の合格率と資格者の増加

これから柔道整復師を目指す人にとっては、国家試験の難しさも気になるところです。厚生労働省の「第34回柔道整復師国家試験の合格発表」(2026年3月実施)によると、受験者4,434人のうち合格者は3,170人、合格率71.5%でした。

項目第34回(2026年3月実施)
受験者数4,434人
合格者数3,170人
合格率71.5%
出典:厚生労働省「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について」

この回だけで3,170人が新たに資格を得ており、資格者は今後も増えていくと考えられます。資格を取っただけで高収入になる職業ではないため、在学中から将来の働き方(接骨院・介護・スポーツ・独立)をイメージしておくことが大切です。

厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)の職業紹介動画「柔道整復師」

柔道整復師が年収を上げる5つの方法

柔道整復師のキャリアと年収アップの主なルート(本記事で作成)
柔道整復師のキャリアと年収アップの主なルート(本記事で作成)

1. 規模の大きい法人・グループ院に転職する

統計上、最も差が大きいのが職場の規模です。多店舗展開している法人やグループ院は、賞与や昇給の仕組みが整っていることが多く、分院長・エリアマネージャーといった役職の道もあります。求人を比べるときは、月給だけでなく賞与の実績・昇給の仕組み・社会保険を確認しましょう。

2. 機能訓練指導員として介護分野で働く

柔道整復師は、デイサービス(通所介護)などで利用者の機能訓練を担当する機能訓練指導員になれる資格の一つです。介護施設は法人規模が大きいことも多く、夜勤がなく勤務時間が安定しやすい点も特徴です。給与は施設ごとに差があるため、求人票で条件を比べて選びましょう。

3. 鍼灸師などのダブルライセンスを取る

はり師・きゅう師の資格を併せ持つと、鍼灸の自費メニューを担当できるようになり、施術の幅が広がります。保険施術の単価が決まっている柔道整復と違い、自費施術は価格を自分たちで決められるため、売上や歩合に反映させやすくなります。

4. 歩合制・自費施術に強い院を選ぶ

自費メニューの売上に応じた歩合がある院では、技術や接客力が収入に直結します。ただし歩合の比率が高いほど、基本給が低く設定されていることもあります。固定給と歩合の内訳を面接で必ず確認しましょう。

5. 独立開業する

経験3年と施術管理者研修の要件を満たせば、独立して接骨院を開業する道もあります。勤務時代より収入を大きく伸ばせる可能性がある一方、開業資金や集患の不安もあります。費用の目安は接骨院の開業費用はいくら?内訳・融資・届出で、集客の方法は接骨院が集患・集客する方法まとめや接骨院の簡単SNS広告の運用まとめで詳しく解説しています。フランチャイズを検討する場合は「ほねつぎチェーン」加盟院増で売上減?(フランチャイズの実情)も参考にしてください。

給料で失敗しない求人の選び方チェックリスト

チェック項目確認するポイント
月給の内訳基本給・資格手当・役職手当・固定残業代が分けて書かれているか
賞与「賞与あり」だけでなく、前年度の支給実績(何か月分か)
昇給昇給の時期と、評価の基準がはっきりしているか
社会保険健康保険・厚生年金・雇用保険に加入できるか(社会保険完備)
勤務時間・休日夜の診療時間、土日祝の勤務、年間休日数
歩合制固定給と歩合の比率、歩合の対象(自費のみか)
キャリア施術管理者の実務経験になるか、分院長や独立支援の実績
本記事で作成

特に経験の浅いうちは、給料の額だけでなく「施術管理者の実務経験として認められる職場か」「技術を学べる環境か」も将来の年収に関わります。条件を比較して、納得できる職場を選びましょう。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

柔道整復師の給料・年収に関するよくある質問

Q
柔道整復師の平均年収はいくらですか?
A

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、柔道整復師を含む「その他の保健医療従事者」の年収は、月給30万3,600円×12か月+賞与65万9,000円で約430万円です(企業規模10人以上)。5〜9人の小規模事業所では約305万円です。

Q
柔道整復師の初任給はどのくらいですか?
A

同じ統計の経験0年の所定内給与額は月23万8,300円です。統計上の賞与は前年の支給額のため1年目はほとんど計上されず、年収は約290万円が目安です。実際の初任給は勤務先によって異なります。

Q
柔道整復師と理学療法士はどちらが給料が高いですか?
A

同じ統計では、理学療法士などの区分が年収約444万円、柔道整復師を含む区分が約430万円で、理学療法士の方がやや高くなっています。差の主な理由は、病院など規模の大きい職場で働く人が多いことによる賞与の差です。

Q
柔道整復師で年収1,000万円は可能ですか?
A

勤務の柔道整復師の統計では、最も高い年代でも平均約500万円のため、勤務のままで年収1,000万円に届くのはごく一部です。可能性があるのは、独立開業して経営が軌道に乗った場合や、大手グループで経営に近い役職に就いた場合などに限られます。

Q
柔道整復師の国家試験の合格率はどのくらいですか?
A

厚生労働省の発表では、2026年3月実施の第34回柔道整復師国家試験は受験者4,434人・合格者3,170人で、合格率は71.5%でした。

まとめ:柔道整復師の年収は「職場の規模」と「経験3年後の選択」で決まる

公的統計でみると、柔道整復師を含む職種の平均年収は約430万円(企業規模10人以上)、小規模な事業所では約305万円です。経験0年の約290万円から、経験15年以上で約490万円、年代では40代前半の約500万円がピークです。

年収を上げるポイントは、①規模の大きい法人や賞与のしっかりした職場を選ぶこと、②経験3年で施術管理者の要件を満たし、分院長・介護分野・ダブルライセンス・独立といった次の道を選ぶことです。まずは今の職場の条件を、この記事の表やチェックリストと比べてみてください。

参考・出典

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