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整骨院の労災保険の取り扱い|指名制度・様式・料金を解説【2026年10月改定】

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「仕事中に腰を痛めた患者さんが来院したけれど、健康保険で受けてよいのか」「労災の用紙はどれを使い、どこに出すのか」——整骨院(接骨院)の受付で、労災保険の取り扱いは迷いやすいテーマです。扱いを間違えると、患者さんが後から健康保険への返還手続きを求められたり、院の請求が返戻になったりします。

結論から言うと、仕事中・通勤中のケガは健康保険ではなく労災保険で扱うのが原則で、整骨院でも労災保険を使った施術は可能です。院側が押さえるべきポイントは次の3つです。

  • 業務災害・通勤災害に健康保険は使えない:健康保険法第1条は、労災保険法上の業務災害を保険給付の対象から除いている
  • 「労災保険指名柔道整復師」の指名を受けると受任者払いができる:都道府県労働局長に申請し、指名期間は2年(自動更新)。患者さんは窓口で支払わずに施術を受けられる
  • 料金は健康保険とは別の「労災保険柔道整復師施術料金算定基準」:令和8年10月1日施術分から改定され、初検料は2,585円(健康保険の療養費は1,560円)

この記事では、院長・開業予定の柔道整復師の方に向けて、整骨院での労災保険の取り扱いを、指名制度・様式・請求の流れ・料金・注意点の順に一次情報ベースで整理します。健康保険の療養費の仕組みは整骨院の保険請求の仕組み・受領委任の仕組み、交通事故(自賠責)の扱いは整骨院での交通事故・自賠責の取り扱いもあわせてご覧ください。

この記事のポイント
・業務災害は様式第7号(3)、通勤災害は様式第16号の5(3)を使う
・指名施術所なら受任者払い(院が請求)、指名がなければ患者さんが全額を支払い監督署へ請求
・指名の申請先は施術所を管轄する都道府県労働局長。指名期間は2年で自動更新
・誤って健康保険で受けた場合は、健康保険への返還→労災へ請求という手間が発生する

整骨院の労災保険とは|健康保険との違いと対象になるケガ

労災保険(労働者災害補償保険)は、労働者の業務上や通勤によるケガ・病気に対して給付を行う保険です。労災保険法第7条は、保険給付の対象を「業務災害」「複数業務要因災害」「通勤災害」などに分けています。通勤とは、就業に関して住居と就業の場所との間などを合理的な経路及び方法で移動することをいい、経路を逸脱・中断した場合はその間とその後の移動は原則として通勤にあたりません。

一方、健康保険法第1条は、健康保険の目的を「業務災害(労災保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産」に関する保険給付と定めています。つまり、仕事中のケガを健康保険で施術・請求することは制度上想定されていません。栃木労働局の案内も「業務災害、通勤災害に対して健康保険は使用できません」と明記しています。

出典: e-Gov法令検索『労働者災害補償保険法』(昭和22年法律第50号)/出典: e-Gov法令検索『健康保険法』(大正11年法律第70号)第1条/出典: 栃木労働局『労災保険の主な請求(申請)』

項目健康保険(療養費)労災保険
対象業務災害以外のケガ・病気業務災害・複数業務要因災害・通勤災害
整骨院での取り扱い受領委任(地方厚生局長・都道府県知事との契約)受任者払い(都道府県労働局長の指名)
患者さんの窓口負担原則1〜3割の一部負担金受任者払いなら窓口での支払いなし
料金の基準柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準労災保険柔道整復師施術料金算定基準
使う書類療養費支給申請書様式第7号(3)/第16号の5(3)
請求先保険者(健保組合・協会けんぽ・市町村など)労働基準監督署(労働局)
健康保険と労災保険の整骨院での取り扱いの違い

出典: 厚生労働省『労災保険における柔道整復師の指名施術所に対する療養(補償)等給付たる療養の費用の受任者払の取扱いについて』(令和8年3月26日 基発0326第1号)/出典: 厚生労働省『主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)』(2026年10月参照)

整骨院で労災保険の対象になるケガ

柔道整復師が施術できるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉ばなれ)といった外傷性のケガです。これは労災でも健康保険でも同じで、労災の料金算定基準も「骨折」「不全骨折」「脱臼」「打撲・捻挫」の区分で料金を定めています(筋・腱の断裂=いわゆる肉ばなれは打撲・捻挫に準ずる)。慢性的な肩こりや疲労回復目的の施術は、労災でも対象になりません。健康保険での対象範囲は整骨院で保険が使える範囲で詳しく解説しています。

  • 業務災害の例:倉庫で荷物を持ち上げた際に腰を捻挫した/作業中に脚立から落ちて足首を捻挫した
  • 通勤災害の例:出勤途中、駅の階段で転倒して膝を打撲した
  • 対象外になりやすい例:仕事帰りに私的な用事で寄り道した後のケガ(逸脱・中断)、ケガの原因がはっきりしない慢性的な痛み

出典: 厚生労働省『労災保険柔道整復師施術料金算定基準(令和8年10月1日以降の施術)』/出典: 基発0917第1号(令和8年9月17日)

整骨院が労災を扱うには|「労災保険指名柔道整復師」の指名制度

整骨院が患者さんに代わって労災保険へ施術料金を請求する(受任者払い)には、施術所の所在地を管轄する都道府県労働局長(所轄局長)から、あらかじめ「労災保険指名柔道整復師」として指名を受ける必要があります。現在の取り扱いは、厚生労働省の通達(令和8年3月26日付け基発0326第1号)で定められています。

指名の対象者と要件

区分内容
対象者①関係柔道整復師団体と施術に関する協定を結んでいる場合、その団体の会員である柔道整復師
対象者②開設者である柔道整復師が指名施術所で施術を行う場合、その開設者
対象者③開設者が柔道整復師でない(法人など)・開設者が施術しない場合、施術所の柔道整復師から開設者が選任した者
要件(設備)柔道整復師法施行規則第18条(構造設備基準)・第19条(衛生上必要な措置)に適合していること
要件(取消歴)過去に指名取消しを受けた施術所は、原則として取消しから5年を経過していること
指名期間指名の日から2年間。期間満了の翌日からさらに2年間ずつ更新
取消し事由架空請求等の不正・不当、関係法令・通達違反、その他受任者払いが不適当と認められるとき
労災保険指名柔道整復師の対象者・要件(厚生労働省通達より)

出典: 厚生労働省『労災保険における柔道整復師の指名施術所に対する療養(補償)等給付たる療養の費用の受任者払の取扱いについて』(令和8年3月26日 基発0326第1号)

申請に必要な書類

厚生労働省のページでは、共通の書類として「様式第1号:柔道整復師が担当した施術に係る受任者払の指名施術所申請書」と、柔道整復師法第19条第1項に基づく施術所の届出(写)を挙げ、対象者に応じて「様式第1号-2:確約書」「様式第1号-3:受任者選任届」「様式第1号-4:同意書」(複数の柔道整復師がいて受任者以外が施術する場合)を追加します。

埼玉労働局の案内では、これに加えて柔道整復師免許証(写)、施術所の平面図、施術所付近の見取り図、指定・指名機関登録(変更)報告書なども求めています。添付書類は労働局ごとに異なるため、申請前に必ず管轄の労働局の案内ページを確認しましょう。

出典: 厚生労働省『労災保険における柔道整復師の指名施術所に対する療養(補償)等給付たる療養の費用の受任者払の取扱いについて』(令和8年3月26日 基発0326第1号)/出典: 埼玉労働局『労災保険指名柔道整復師の手続き』(2026年10月参照)

指名を受けるまでの流れ(例)
  • STEP1
    施術所の開設届を済ませる
    柔道整復師法第19条第1項の施術所開設届の写しが申請に必要。開業準備と並行して進める
  • STEP2
    管轄労働局の様式を入手
    厚労省の様式に加え、労働局独自の添付書類(平面図・見取り図・登録報告書など)を確認
  • STEP3
    申請書類を提出
    所轄の都道府県労働局長あてに提出。埼玉労働局のように郵送を受け付ける局もある
  • STEP4
    審査・指名の通知
    労働局が要件を調査し、結果を通知書で申請者に通知
  • STEP5
    運用開始・2年ごとの更新
    変更があれば速やかに届け出る。不正請求等は指名取消しの対象

開業時の届出全体の流れは接骨院の開業届・施術所開設届で解説しています。労災の指名は開業後に申請することもできますが、地域の工場・物流・建設業の患者さんが多い立地では、開業時から準備しておくと受付で断るケースを減らせます。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

労災の書類・様式|業務災害は様式第7号(3)、通勤災害は第16号の5(3)

整骨院での労災請求に使う書類は、ケガが業務災害か通勤災害かで異なります。厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーに掲載されている正式名称は次のとおりです。

区分様式正式名称主な提出・記入者
業務災害(複数業務要因災害含む)様式第7号(3)療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書(柔整)患者さん(請求人)・事業主・柔道整復師
通勤災害様式第16号の5(3)療養給付たる療養の費用請求書(柔整)通勤災害用患者さん(請求人)・事業主・柔道整復師
整骨院で使う労災の請求書(様式)

出典: 厚生労働省『主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)』(2026年10月参照)

栃木労働局の一覧では、柔道整復師の施術を受けた場合の請求書は7号(3)・16号の5(3)で、提出先は「整骨院」とされています。つまり、指名施術所で施術を受ける場合、患者さんは記入した請求書を整骨院に渡し、院が労働基準監督署へ請求する流れです。一方、労災指定以外の柔道整復師の施術を受けた場合は、請求書と領収書を監督署に提出するよう案内されています。

出典: 栃木労働局『労災保険の主な請求(申請)』

請求書の記入で院が確認すべきこと

  • 事業主の証明欄:負傷年月日や災害の原因・発生状況について事業主の証明が必要。患者さんに勤務先へ記入を依頼してもらう
  • 災害の原因・発生状況:「どこで・何をしていて・どうなったか」が具体的に書かれているか。初検時の問診内容と食い違わないか
  • 負傷部位と施術内容:料金算定基準の部位区分(例:腰部・足関節など)に沿って記載する
  • 受任者欄:受任者払いの場合、指名された柔道整復師(受任者)の情報を記載する

記入例は各労働局のページ(例:宮城労働局の「様式第7号(3)記入例」)に掲載されています。書き方に迷ったときは、管轄の労働基準監督署または厚生労働省の労災保険相談ダイヤル(0570-006031)に確認できます。

出典: 厚生労働省『主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)』(2026年10月参照)

整骨院で労災保険を使うときの流れ|受付から請求まで

指名施術所で労災の患者さんを受け付ける場合の基本的な流れを図にしました。ポイントは、初回の受付時点で「仕事中・通勤中のケガかどうか」を確認することです。ここで健康保険証を使ってしまうと、後から切り替えの手間が発生します。

整骨院で労災保険を使うときの流れ(厚生労働省・栃木労働局の資料をもとに作成)
整骨院で労災保険を使うときの流れ(厚生労働省・栃木労働局の資料をもとに作成)

出典: 厚生労働省『労災保険における柔道整復師の指名施術所に対する療養(補償)等給付たる療養の費用の受任者払の取扱いについて』(令和8年3月26日 基発0326第1号)/出典: 栃木労働局『労災保険の主な請求(申請)』

  1. 問診で受傷状況を確認:いつ・どこで・何をしていたか。仕事中・通勤中なら労災の可能性を説明する
  2. 会社への報告を促す:請求書には事業主の証明が必要。患者さんから勤務先に労災であることを伝えてもらう
  3. 請求書を受け取る:業務災害は7号(3)、通勤災害は16号の5(3)。すぐに用意できない場合の取り扱いは院内ルールを決めておく
  4. 施術・施術録の記載:初検時相談支援料を算定する場合は、職業復帰に向けた施術計画や日常生活の注意点を説明し、施術録に記載する
  5. 監督署へ請求:施術料金を算定基準で計算し、請求書を提出する

なお、療養(補償)給付を受ける権利は、労災保険法第42条により行使できる時から2年で時効により消滅します。患者さんが償還払いで請求する場合も含め、書類の放置には注意が必要です。

出典: e-Gov法令検索『労働者災害補償保険法』(昭和22年法律第50号)

労災の施術料金(費用)|2026年10月改定の算定基準と健康保険との比較

労災保険の施術料金は「労災保険柔道整復師施術料金算定基準」で定められ、厚生労働省労働基準局長の通達(基発0917第1号・令和8年9月17日)により、令和8年10月1日以降の施術分から改定後の基準が適用されています。各労働局はこの基準に基づいて、管内の柔道整復師団体と協定を結びます。主な項目は次のとおりです。

項目労災(R8.10.1〜)健康保険の療養費(R8.7.1〜)
初検料2,585円1,560円
初検時相談支援料150円100円
往療料2,760円(片道4km超は3,060円)2,300円
再検料500円420円
打撲・捻挫 施療料920円770円
打撲・捻挫 後療料660円550円
指導管理料680円—
休業証明書2,200円—
主な施術料金の比較(労災の算定基準と健康保険の療養費)

出典: 厚生労働省『労災保険柔道整復師施術料金算定基準(令和8年10月1日以降の施術)』/出典: 基発0917第1号(令和8年9月17日)/出典: 厚生労働省保険局長『「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」の一部改正について』(保発0601第4号・令和8年6月1日)

労災と健康保険の柔道整復施術料金の比較
出典: 厚生労働省『労災保険柔道整復師施術料金算定基準(令和8年10月1日以降)』・保発0601第4号

労災の算定基準には、健康保険にはない項目もあります。たとえば指導管理料(680円)は1週間に1回程度・1か月5回を限度に後療時に算定でき、休業証明書(2,200円)は休業(補償)給付の請求に使う証明に対する料金です。また、初検時相談支援料は、職業復帰に向けた施術計画や就労上の注意点、労災保険の受任者払いの取り扱いなどを説明し、施術録に記載した場合に算定します。

時間外の初検には加算があり、施術所が表示する施術時間以外は650円、午後10時から午前6時までは3,740円、休日は1,870円を所定金額に加算します。再検料は初検料を算定した月は1回、翌月以降は1か月2回を限度とし、算定できるのは初検月の翌々月までです。

出典: 厚生労働省『労災保険柔道整復師施術料金算定基準(令和8年10月1日以降の施術)』/出典: 基発0917第1号(令和8年9月17日)

健康保険側の2026年改定の内容は柔整療養費の2026年改定で詳しく解説しています。料金の計算や様式の作成はレセコンの対応状況でも手間が変わるため、労災・自賠責に対応した接骨院向けレセコン比較も参考にしてください。

「整骨院で労災は使える?」|指名(指定)外の院にかかった場合の扱い

患者さんからよく聞かれるのが「この整骨院で労災は使えますか?」という質問です。整理すると、指名施術所かどうかで「使えるかどうか」ではなく「支払い方」が変わると説明するのが正確です。

労災保険指名柔道整復師の院指名(指定)外の院
窓口での支払いなし(受任者払い)いったん施術料金を全額支払う
請求する人院(受任者)が請求患者さん自身が請求
提出先院が労働基準監督署へ請求書と領収書を労働基準監督署へ
患者さんの手間請求書の記入・事業主証明の依頼上記に加え、領収書の保管・提出
院の対応様式の受け取り・算定・請求様式の施術証明欄の記入・領収書の発行
指名施術所と指名外の院の違い

出典: 栃木労働局『労災保険の主な請求(申請)』/出典: 厚生労働省『労災保険における柔道整復師の指名施術所に対する療養(補償)等給付たる療養の費用の受任者払の取扱いについて』(令和8年3月26日 基発0326第1号)

指名外の院でも、患者さんが償還払いで請求できるように請求書の施術内容欄を記入したり、領収書を発行したりする協力は必要になります。労災の患者さんが多い立地では、指名を受けたほうが患者さん・院の双方にとって手間が少なくなります。

誤って健康保険で受けてしまった場合

仕事中のケガを健康保険証で受けてしまった場合、栃木労働局の案内では、加入している健康保険に医療費の返還を申し出て、窓口負担分の領収書と健康保険へ返還した分の領収書をあわせて監督署に提出する手続きになります。また、明らかに業務災害・通勤災害とわかっていながら保険証を使い、故意に健康保険に請求することは刑法に抵触する可能性がある、とも注意しています。

出典: 栃木労働局『労災保険の主な請求(申請)』

受付での一言が大切です。初診の問診票に「仕事中・通勤中のケガですか?」という確認欄を設けておくと、健康保険と労災の取り違えを防げます。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

整骨院で労災を取り扱うときの注意点|院長がチェックしたい5項目

  1. 健康保険・労災・自賠責を混在させない:同じ患者さんでも、ケガの原因ごとに請求先が異なる。通勤中の交通事故は労災と自賠責のどちらを使うか整理が必要
  2. 施術の対象範囲を守る:骨折・脱臼の施術には応急手当を除き医師の同意が必要(健康保険と同様)。慢性的な症状は対象外
  3. 施術録を丁寧に残す:初検時相談支援料・指導管理料・運動療法料などは、説明内容や評価の記載が算定の前提になる
  4. 長期化したら医療機関との連携を:骨折・脱臼の応急施術後に医療機関へ文書で紹介した場合は施術情報提供料(1,000円)を算定できる
  5. 不正・不当請求は指名取消しの対象:架空請求や部位の水増しは、指名取消し(再指名は原則5年後)につながる

出典: 厚生労働省『労災保険柔道整復師施術料金算定基準(令和8年10月1日以降の施術)』/出典: 基発0917第1号(令和8年9月17日)/出典: 厚生労働省『労災保険における柔道整復師の指名施術所に対する療養(補償)等給付たる療養の費用の受任者払の取扱いについて』(令和8年3月26日 基発0326第1号)

通勤途中の交通事故は、労災と自賠責のどちらで扱うかを患者さん・勤務先・保険会社と確認する必要があります。自賠責での取り扱いは整骨院での交通事故・自賠責の取り扱い、むちうちの施術については交通事故のむちうちと整骨院を参考にしてください。院の看板・ホームページで「労災指定」「労災対応」と表示する場合は、整骨院の広告規制とガイドラインもあわせて確認しましょう。

整骨院の労災保険の取り扱いに関するよくある質問

Q
整骨院でも労災保険は使えますか?
A

使えます。仕事中や通勤中の骨折・脱臼・打撲・捻挫などは労災保険の対象で、労災保険指名柔道整復師の院なら受任者払いで窓口での支払いなく施術を受けられます。指名外の院では、いったん全額を支払い、請求書と領収書を労働基準監督署に提出します。

Q
整骨院が労災の指名を受けるにはどうすればよいですか?
A

施術所の所在地を管轄する都道府県労働局長に、受任者払の指名施術所申請書(様式第1号)や施術所開設届の写しなどを提出します。労働局が要件を調査して結果を通知し、指名期間は指名の日から2年間で、その後は2年ごとに更新されます。

Q
業務災害と通勤災害で書類は違いますか?
A

違います。業務災害(複数業務要因災害を含む)は様式第7号(3)、通勤災害は様式第16号の5(3)を使います。どちらも事業主の証明欄があるため、患者さんから勤務先に記入を依頼してもらいます。

Q
仕事中のケガを健康保険で受けてしまったらどうなりますか?
A

健康保険は業務災害を給付の対象にしていないため、加入している健康保険に医療費を返還し、窓口負担分と返還分の領収書をあわせて労働基準監督署に提出して労災へ請求する手続きになります。受付時に受傷状況を確認することが大切です。

Q
労災の施術料金は健康保険と同じですか?
A

異なります。労災は「労災保険柔道整復師施術料金算定基準」で定められ、令和8年10月1日以降の施術分は初検料2,585円、再検料500円などです。健康保険の療養費(令和8年7月1日以降)は初検料1,560円、再検料420円です。

まとめ|整骨院の労災は「受付での確認・指名・正しい様式」で取り扱う

  • 仕事中・通勤中のケガは健康保険ではなく労災保険。受付の問診で必ず確認する
  • 受任者払いには都道府県労働局長の「労災保険指名柔道整復師」の指名が必要。指名期間は2年で更新
  • 業務災害は様式第7号(3)、通勤災害は様式第16号の5(3)。事業主の証明を忘れずに
  • 料金は労災独自の算定基準(R8.10.1〜、初検料2,585円など)。指導管理料・休業証明書など健康保険にない項目もある
  • 指名外の院では患者さんが全額を支払い、請求書と領収書を監督署へ提出する

労災の患者さんへの対応は、地域の事業所からの信頼にもつながります。受付・施術録・請求の流れを院内で統一し、整骨院の電子カルテ比較などで記録を整えておくと、スタッフが入れ替わっても安定して運用できます。院の売上構成を見直す際は整骨院の売上と月商の目安も参考にしてください。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

参考・出典

※本記事は2026年10月18日時点の法令・通達・公開情報をもとに作成しています。指名申請の添付書類や請求の細かな取り扱いは、管轄の都道府県労働局・労働基準監督署にご確認ください。

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