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受領委任とは?柔道整復の療養費の仕組みと償還払いとの違い【2026年版】

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受領委任(じゅりょういにん)とは、患者が窓口で自己負担分(1〜3割)だけを支払い、残りの療養費を柔道整復師(施術管理者)が患者から委任を受けて保険者に請求し、受け取る仕組みです。健康保険の療養費は、本来は患者がいったん全額を払い、自分で保険者に請求する「償還払い」が原則で、柔道整復の受領委任はその例外として国が認めている取扱いです。

受領委任を使うには、地方厚生(支)局長・都道府県知事との「協定」または「契約」、施術管理者としての登録、そして2024年12月からはオンライン資格確認の導入が必要です。ルールを守らなければ受領委任の取扱いは中止され、原則5年間は再登録できません。

この記事では、厚生労働省の局長通知(受領委任の取扱規程)、社会保障審議会の専門委員会資料、地方厚生局の事務連絡をもとに、受領委任の意味、償還払い・代理受領との違い、協定と契約の違い、施術管理者の要件、受領委任が中止されるケースまでを、これから開業する柔道整復師と、勤務柔道整復師の両方に向けて整理しました。請求実務の流れや2026年の料金改定は整骨院の保険請求の仕組み|対象・流れ・2026年改定で詳しく解説しています。

この記事のポイント
・受領委任=患者が療養費の受け取りを施術所に委任し、窓口は一部負担金だけで済む仕組み(償還払いの例外)
・取扱いの根拠は厚生労働省保険局長通知(平成22年保発0524第2号、平成30年改正)。柔道整復師会の会員は「協定」、それ以外は「契約」
・施術管理者は実務経験3年以上+施術管理者研修の修了が要件
・ルール違反や不正があると受領委任の取扱いは中止。勤務する柔道整復師も対象で、原則5年は再登録不可
・オンライン資格確認の未導入施術所は、令和8年(2026年)12月を目途に受領委任が中止となる予定

受領委任とは?柔道整復の療養費を「代わりに受け取る」仕組み

整骨院・接骨院の施術は、病院の診療のような「療養の給付(現物給付)」ではなく、健康保険法上の「療養費(現金給付)」として扱われます。協会けんぽは、療養費は本来「患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける償還払いが原則」とし、柔道整復については例外的に「受領委任」という方法が認められていると説明しています。(出典:全国健康保険協会『柔道整復師のかかり方』)

厚生労働省の通知では、受領委任の取扱いを「療養費の受領の委任を被保険者又は被扶養者から受け、保険者又は後期高齢者医療広域連合に請求する場合の取扱い」と定義しています。つまり、療養費を受け取る権利はあくまで患者にあり、柔道整復師はその受け取りと請求を患者から任されている立場です。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

この点は現場向けの解説動画でも強調されており、受領委任は「施術所のための制度」ではなく、全額立て替えと自分での申請という患者の負担を軽くするための仕組みであり、保険を使うかどうかを施術者が決めるものではない、と解説されています。(出典: 動画を見る)

受領委任で患者・施術所・保険者がやること

立場受領委任でやること
患者(被保険者・被扶養者)窓口で一部負担金を支払う/申請書の「受取代理人」欄に住所・氏名・委任年月日を自筆で記入して受け取りを委任する
施術管理者(柔道整復師)資格確認・施術・施術録の記載/申請書を月単位で作成し、保険者等ごとにまとめて請求する/領収証を無償で交付する
保険者・審査会申請書を点検・審査(柔整審査会)し、療養費を施術管理者に支払う/必要に応じて患者に照会する
地方厚生(支)局長・都道府県知事協定・契約の締結、施術所・施術管理者の登録、指導・監査、受領委任の取扱いの中止
出典:厚生労働省保険局長通知(平成30年5月24日 保発0524第2号)別添1・別添2をもとに作成

(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

償還払い・代理受領・受領委任の違い【比較表】

療養費の支払い方には、原則の「償還払い」のほか、「代理受領」と「受領委任」があります。厚生労働省があん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(あはき)の制度見直しを議論した専門委員会で示した比較は次のとおりです。柔道整復は、この3つのうち受領委任の取扱いが厚生労働省の通知で定められている点が特徴です。

項目償還払い代理受領受領委任(柔道整復)
施術所での患者負担全額一部一部
療養費の請求者患者(被保険者)施術所(施術者)または請求代行業者施術所(施術管理者)
療養費の審査保険者(一部審査会)保険者(一部審査会)審査会(健康保険組合は保険者または審査会)
地方厚生(支)局の指導監督なしなしあり
施術所・施術管理者の登録なしなしあり
根拠健康保険法上の原則保険者の判断で認める場合がある厚生(支)局長・都道府県知事との協定・契約
出典:社会保障審議会 あはき療養費検討専門委員会資料「償還払い・代理受領・受領委任の比較」(平成29年1月18日)をもとに作成

(出典:社会保障審議会 あはき療養費検討専門委員会資料『償還払い・代理受領・受領委任の比較』(平成29年1月18日))

代理受領は、保険者がそれぞれの判断で施術所による受け取りを認めるもので、国による登録や指導監督の仕組みはありません。これに対して受領委任は、国(地方厚生局)と都道府県が施術所と施術管理者を登録し、指導・監査・中止の権限を持つ代わりに、患者は窓口負担だけで施術を受けられます。同じ資料では、施術所が請求する方式は患者が請求内容を確認しにくく、架空請求や水増し請求が起きやすいという指摘も示されており、受領委任には厳しいルールがセットになっています。(出典:社会保障審議会 あはき療養費検討専門委員会資料『償還払い・代理受領・受領委任の比較』(平成29年1月18日))

受領委任と償還払いのお金の流れ(厚生労働省の専門委員会資料・受領委任の取扱規程をもとに作成)
受領委任と償還払いのお金の流れ(厚生労働省の専門委員会資料・受領委任の取扱規程をもとに作成)

例えば月に10回通院する患者の場合、償還払いでは10回分の施術料金を全額窓口で払い、月が変わってから自分で申請書を用意して請求し、支給を待つことになります。受領委任なら毎回の窓口負担は1〜3割で済み、申請手続きも施術所が代わりに行います。解説動画でも、この「月10回通院」の例で患者側の負担の差が説明されています。(出典: 動画を見る)

受領委任の「協定」と「契約」の違い(柔道整復師会と個人契約)

受領委任の取扱いは、厚生労働省保険局長通知「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成22年5月24日 保発0524第2号)で定められています。この通知には2つの別添があり、公益社団法人の柔道整復師会の会員は「別添1(協定書)」、それ以外の柔道整復師は「別添2(受領委任の取扱規程)」に基づく契約で受領委任を行います。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

区分協定(別添1)契約(別添2:受領委任の取扱規程)
対象公益社団法人 都道府県柔道整復師会の会員会員以外の柔道整復師(個人契約)
当事者地方厚生(支)局長・都道府県知事・都道府県柔道整復師会長の三者地方厚生(支)局長・都道府県知事と施術管理者
届出・申出の経路柔道整復師会を経由して届け出る施術管理者が直接申し出る(請求は団体・代行を使うことも可)
施術・請求のルール受給資格の確認、一部負担金の減免禁止、領収証の無償交付、施術録の区別保存、申請書の月単位作成など協定とほぼ同じ内容
中止・登録拒否ありあり
出典:厚生労働省保険局長通知(平成30年5月24日 保発0524第2号)別添1・別添2をもとに作成

(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

協定・契約のどちらでも、患者から受け取る一部負担金を減免したり、超過して受け取ったりすることは禁止され、領収証は無償で交付しなければなりません。受領委任の施術録は、それ以外の施術録と区別して管理します。自費施術との組み合わせ方は接骨院の自費移行メニューと単価で、請求団体やグループへの加盟を検討している方は接骨院のフランチャイズ・グループ加盟の比較も参考にしてください。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

受領委任を取り扱う施術管理者の要件

受領委任は施術所単位で登録され、施術所ごとに施術管理者を1人置きます。施術管理者は、勤務する柔道整復師の施術を含めて受領委任の取扱い全般を管理する立場です。開設者は、施術管理者や勤務する柔道整復師が行った保険施術と申請について、適切に監督し、同等の責任を負うとされています。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

施術管理者になるには、次の2つを満たす必要があります。

  1. 柔道整復師として実務に従事した経験(原則3年以上)
  2. 厚生労働省に登録された研修実施機関が行う「施術管理者研修」の修了
届出・申出の時期必要な実務経験の期間
2018年(平成30年)6月〜2022年3月(令和3年度まで)1年以上
2022年4月〜2024年3月(令和4・5年度)2年以上(うち保険医療機関で従事した期間は1年まで)
2024年4月(令和6年度)以降3年以上(うち保険医療機関で従事した期間は2年まで)
出典:厚生労働省保険局長通知(平成30年5月24日 保発0524第2号)別添1 第5項(通知では「平成33〜36年度」と表記)

(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

この要件は、平成30年6月1日以降に新たに受領委任の届出・申出をした人に適用されています。つまり、今から受領委任で開業するなら「実務経験3年以上+研修修了」が前提です。勤務先を選ぶときは、施術所での実務経験として証明してもらえるかを確認しておきましょう(柔道整復師の求人(未経験・新卒)の選び方)。開業の届出の順番は接骨院の開業届出(保健所の開設届と受領委任の申出)、資金計画は接骨院の開業費用はいくら?内訳・融資・届出にまとめています。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

受領委任の取扱いが「中止」されるケースと、勤務柔道整復師への影響

受領委任の取扱規程では、地方厚生(支)局長と都道府県知事は、施術管理者または勤務する柔道整復師が次のいずれかに当てはまるとき、受領委任の取扱いを中止するとしています。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

  • 協定・規程に定める事項を守らなかったとき
  • 療養費の請求内容に不正または著しい不当の事実が認められたとき
  • その他、受領委任の取扱いを認めることが不適当と認められるとき

中止の影響は長く続きます。規程は、施術管理者や勤務する柔道整復師が受領委任の取扱いの中止を受け、原則として中止後5年を経過しないときは、新たな登録を認めないとしています。ほかにも、二度以上重ねて中止されたとき、不正・不当な請求の返還金を納付しないとき、中止を逃れるために登録を辞退して後から再び届け出たときなども、登録されません。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

勤務柔道整復師も無関係ではありません:規程では、施術所に勤務する柔道整復師が中止を受けた場合も、その施術所の開設者が開設する施術所の登録に影響します。「自分は施術管理者ではないから大丈夫」とは言えない点に注意が必要です。

現場の解説動画では、施術管理者研修の受講を条件に受領委任を始めた柔道整復師が、施術管理者を降りて別の院の勤務に移った後も受講期限が残っており、期限切れ直前に地方厚生局へ事情を説明する文書を出して、中止相当の扱いをぎりぎりで免れた実例が紹介されています。動画では、中止相当になれば勤務先の保険の取扱いにも影響し、勤務を続けられなくなるおそれがあると注意を促しています。条件付きで登録を受けている場合は、期限と手続きを必ず地方厚生局に確認しておきましょう。(出典: 動画を見る)

なお、不正・不当な請求の典型例や、保険者からの患者照会(アンケート)への備えは整骨院の保険請求の仕組み|対象・流れ・2026年改定で、広告で「保険が使える」とうたう際の注意点は整骨院の広告規制とガイドラインで解説しています。

受領委任とオンライン資格確認:2026年12月の「中止」スケジュール

受領委任では、施術管理者は患者が療養費を受け取る資格があるかを確認しなければなりません。健康保険証の新規発行終了にあわせて、受領委任を行う柔道整復の施術所は2024年(令和6年)12月2日から、資格情報だけを確認できる「資格確認限定型」のオンライン資格確認の導入が原則義務化されました。(出典:厚生労働省 事務連絡(令和6年11月6日))

義務化の対象外となる「やむを得ない事由」は、柔道整復の施術所の場合、①令和6年4月時点で常勤の施術者が皆70歳以上、②令和7年12月2日までの廃止・休止を決めている、③令和7年12月2日までの受領委任の取扱い中止を決めている、の3つです。(出典:第184回社会保障審議会医療保険部会 資料3(令和6年11月21日))

柔道整復の施術所の導入状況(2025年2月時点)

区分施設数割合
柔道整復師施術所 全施設数44,744施設100%
利用申請済施設37,985施設84.9%
準備完了施設36,161施設80.8%
運用開始日入力済施設27,569施設61.6%
出典:柔道整復療養費検討専門委員会資料「柔道整復師の施術所におけるオンライン資格確認について」(令和7年2月28日、令和7年2月23日時点)
柔道整復師施術所のオンライン資格確認 導入状況(2025年2月23日時点)
出典: 柔道整復療養費検討専門委員会資料(令和7年2月28日)

同じ資料によると、令和6年12月26日時点で利用申請をしていなかった柔道整復の施術所は9,511件ありました。厚生労働省はこうした未導入施設に対し、導入要請、集団指導を経て、令和8年12月を目途に受領委任の取扱いを中止するスケジュールを示しています。(出典:柔道整復療養費検討専門委員会資料『柔道整復師の施術所におけるオンライン資格確認について』(令和7年2月28日))

オンライン資格確認未導入の施術所への対応スケジュール
  • 2024年12月
    導入の原則義務化
    受領委任を行う柔整・あはきの施術所でオンライン資格確認(資格確認限定型)が原則義務化
  • 2025年4月〜
    導入の要請
    未導入施設に速やかな導入を要請。導入支援の補助、マイナ保険証利用の働きかけへの協力金(1施設5万円)
  • 2025年8月目処
    集団指導に移行する旨の通知
    未導入のままだと集団指導に移行し、受領委任の取扱いが中止となり得る旨を通知
  • 2026年1月目処
    集団指導の実施
    未導入でやむを得ない事由の申し出がない施術所を対象に実施
  • 2026年夏目処
    中止となり得る旨の通知
    やむを得ない事由に該当せず中止の届出もしていない未導入施設に通知
  • 2026年12月目処
    受領委任の取扱いを中止
    それでも導入しない未導入施設は受領委任の取扱いを中止

出典: 柔道整復療養費検討専門委員会資料(令和7年2月28日)/厚生労働省保険局医療課医療指導監査室『集団指導(オンライン資格確認の導入)』資料

このスケジュールを解説した動画では、協力金も「ポスター掲示やチラシ配布、患者への声かけ」といった利用促進の取り組みが前提であることや、オンライン資格確認で過去の確認結果を見直せても、患者の保険資格が月の途中で変わることがあるため確認漏れに注意が必要だと指摘しています。(出典: 動画を見る)

マイナンバーカードで確認できない場合は、マイナポータルの資格情報画面や「資格情報のお知らせ」、資格確認書などで確認して受領委任で請求する取扱いが示されています。(出典:厚生労働省 事務連絡(令和6年11月29日)) レセコンとの連携も含めた機器選びは接骨院のレセコン比較を参考にしてください。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

数字で見る受領委任:施術所は増え、療養費は減っている

厚生労働省の専門委員会資料によると、柔道整復の施術所は令和4年に50,919か所、そのうち受領委任を取り扱う施術所は46,683か所でした。一方、柔道整復療養費は平成25年度の3,855億円から令和3年度の2,867億円へと減っています。(出典:柔道整復療養費検討専門委員会『柔道整復療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)』)

柔道整復療養費の推移(推計)
出典: 厚生労働省 柔道整復療養費検討専門委員会資料(保険局調査課とりまとめの推計)

施術所のほとんどが受領委任を取り扱う一方で、療養費全体は縮小しています。受領委任は患者にとって便利な仕組みですが、施術所にとっては「当然もらえる売上」ではなく、ルールを守ることを条件に認められた取扱いです。保険施術の適正化と、保険外の収入源の両方を考えておくことが経営の安定につながります。

受領委任で失敗しないための手順とチェックリスト

これから受領委任を始める人、すでに取り扱っている人が押さえておきたいポイントを、手順順にまとめました。

段階確認すること
開業前施術管理者の要件(実務経験3年以上・施術管理者研修の修了)を満たしているか
開業前柔道整復師会に入って「協定」で行うか、個人で「契約」するかを決めたか
開設時保健所への施術所開設届を出し、その写しを付けて地方厚生(支)局へ受領委任の申出をしたか
開設時オンライン資格確認(資格確認限定型)の利用申請と機器の準備を済ませたか
日々の受付オンライン資格確認などで受給資格を確認しているか(月途中の資格変更にも注意)
会計一部負担金を減免・超過徴収していないか/領収証を無償で交付しているか
申請書患者本人が「受取代理人」欄に住所・氏名・委任年月日を自筆で記入しているか(白紙署名は不可)
記録受領委任の施術録を他の施術録と区別して管理しているか
勤務者勤務する柔道整復師の登録・変更届を出しているか/条件付き登録の期限を管理しているか
本記事で作成(根拠は厚生労働省保険局長通知 保発0524第2号、令和6年11月の各事務連絡)

申請書の「受取代理人」欄は、患者の自筆で被保険者の住所・氏名・委任年月日を記入してもらうのが原則で、利き手のけがなど本人が書けないやむを得ない理由がある場合に限り、柔道整復師が代理で記入し患者から押印を受けます。(出典:厚生労働省保険局長通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』(平成30年5月24日 保発0524第2号))

保険者から患者に「本当に通院したか」を確かめる照会が届くことがありますが、解説動画では、代理で申請している以上は当然の確認手続きであり、事前に患者へ仕組みを説明しておくことが大切だとしています。(出典: 動画を見る) 照会の目的や患者への案内のしかたは整骨院の保険請求の仕組み|対象・流れ・2026年改定の「照会(アンケート)」の章で解説しています。

はり・きゅう、あん摩マッサージ指圧にも受領委任の仕組みがありますが、医師の同意書など柔道整復とは異なるルールがあります。鍼灸院を開業する方は鍼灸院の開業費用と手続きをご覧ください。患者として「どこに行けばいいか」を知りたい方は肩こりは整体・マッサージ・整骨院のどこへ行くべき?も参考になります。

受領委任に関するよくある質問

Q
受領委任払いとは何ですか?
A

患者が療養費の受け取りを柔道整復師(施術管理者)に委任し、窓口では一部負担金(1〜3割)だけを払う方法です。残りの療養費は、施術管理者が患者に代わって保険者に請求し、受け取ります。健康保険の療養費は償還払いが原則で、受領委任は柔道整復に認められた例外的な取扱いです。

Q
受領委任と償還払いの違いは何ですか?
A

償還払いは、患者が施術料金を全額払い、自分で保険者に請求して療養費を受け取る方法です。受領委任は、窓口負担が一部で済み、請求は施術所が行います。受領委任には、地方厚生(支)局による施術所・施術管理者の登録と指導監督があります(社会保障審議会 専門委員会資料、平成29年1月18日)。

Q
受領委任の「協定」と「契約」は何が違いますか?
A

公益社団法人の都道府県柔道整復師会の会員は、厚生局長・知事・柔道整復師会長の三者による「協定」で受領委任を行います。会員以外の柔道整復師は「受領委任の取扱規程」に基づき、厚生局長・知事と個別に「契約」します。施術や請求のルールはほぼ同じです。

Q
受領委任を取り扱うにはどんな条件がありますか?
A

施術所ごとに施術管理者を1人置き、その施術管理者が柔道整復師としての実務経験(令和6年度以降は3年以上)と施術管理者研修の修了を満たす必要があります。あわせて、受領委任を行う施術所はオンライン資格確認の導入が原則義務です。

Q
受領委任の取扱いが中止されるとどうなりますか?
A

その施術所では受領委任による請求ができなくなり、患者は償還払いで全額を窓口で払うことになります。中止を受けた施術管理者や勤務する柔道整復師は、原則として中止後5年を経過するまで新たな登録が認められません。

まとめ:受領委任は「患者の権利を預かる」仕組み

受領委任は、患者が療養費の受け取りを柔道整復師に任せることで、窓口負担だけで施術を受けられるようにする仕組みです。償還払いが原則の療養費の中で認められた例外であり、その代わりに協定・契約、施術管理者の要件、指導監査、中止という厳しいルールがセットになっています。

開業を考えている人は、施術管理者の要件(実務経験3年以上+研修)と、オンライン資格確認の導入を早めに準備しましょう。勤務している人も、自分の登録や申請書の扱いが受領委任の継続に直結することを意識しておくと安心です。働く環境を見直したい方は、求人情報もチェックしてみてください。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

参考・出典

一次情報(参照日:2026年10月4日)

参考動画

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