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接骨院のフランチャイズ比較|加盟金・ロイヤリティ試算と独立との差【2026】

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接骨院を開業するとき、「フランチャイズやグループに加盟したほうが得なのか、それとも完全に独立したほうがよいのか」は、多くの柔道整復師が迷うポイントです。結論から言うと、どちらが得かは「加盟金・ロイヤリティの総額」と「本部が代わりにやってくれる仕事の価値」を同じ物差しで比べて初めて判断できます。看板やノウハウが手に入っても、毎月のロイヤリティが利益を圧迫して手元にお金が残らなければ意味がありません。

しかも接骨院のフランチャイズは、コンビニのような小売業のフランチャイズと違い、法律で定められた開示書面の交付義務の対象外になる場合が多いという落とし穴があります。本部ごとに契約の中身がまったく違うため、「どこが安いか」の一覧だけで決めるのは危険です。

この記事では、公正取引委員会のガイドラインや中小小売商業振興法、厚生労働省・日本政策金融公庫の公的データをもとに、接骨院の加盟形態の種類と費用の比較方法、ロイヤリティの試算、契約前に本部に確認すべきこと、独立開業と比べたときの向き・不向きまでを整理します。

この記事の要点:①接骨院の「加盟」はフランチャイズ・ブランド/グループ加盟・請求団体の会員の3段階で、費用も縛りもまったく違う ②比較は「加盟金+ロイヤリティ×契約年数+解約時の違約金」の総額で行う ③公取委ガイドラインは、予想売上を示すなら根拠と算定方法の説明を本部に求めている ④保険を扱うなら施術管理者の要件(実務経験3年+研修)は加盟しても免除されない

接骨院の加盟形態は3種類|フランチャイズ・グループ加盟・請求団体の違い

「接骨院のフランチャイズ」と一口に言っても、実際にはいくつかの形があります。検索すると「フランチャイズ一覧」「FC比較」といったサイトが多数出てきますが、そこに並んでいるのは整体・リラクゼーション・ストレッチ店が中心で、柔道整復師の国家資格を前提とした接骨院の本部は少数です。まずは形態ごとの違いを押さえましょう。

加盟形態主な内容看板(屋号)主な費用経営の自由度
フランチャイズ(FC)屋号・施術ノウハウ・集客・研修・運営マニュアルまで一式を本部が提供本部ブランドを使用加盟金・保証金・研修費+毎月のロイヤリティ(売上比例または定額)低い(メニュー・価格・内装に本部基準あり)
ブランド/グループ加盟屋号や共同広告、予約・レセプトシステムなどを部分的に共有。「非フランチャイズ」を掲げる形もあるグループ名を併記・使用入会金+月会費・システム利用料など中程度(契約ごとに差が大きい)
療養費の請求団体・協同組合の会員保険請求の代行、研修、情報提供が中心。経営指導はほぼない自院の屋号のまま入会金+月会費または請求額に応じた手数料高い
完全独立すべて自分で決めて自分で手配する自院の屋号加盟関連の費用はゼロ(そのぶん集客・採用・事務の手間とコストを自分で負担)最も高い
KATAKORY編集部作成。費用の名称・体系は本部・団体ごとに異なる

同じ「加盟」でも、フランチャイズと請求団体の会員とでは、支払う金額も経営への関与もまるで別物です。請求団体の違いや手数料の比べ方は療養費請求代行サービス・請求団体の比較で詳しく解説しています。また、接骨院チェーンの実例として、当サイトでは「ほねつぎチェーン」加盟院増で売上減?という記事で、加盟院が増えるなかでの売上の動きを取り上げました。

なぜ接骨院でフランチャイズ・グループ加盟が注目されるのか

背景にあるのは、施術所の飽和です。厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、令和6年末の柔道整復の施術所は50,924か所、就業している柔道整復師は78,666人です。施術所の数は平成30年ごろから約5万か所でほぼ横ばいになっており、新規開業しても既存院との競争は避けられません。

柔道整復の施術所数の推移(各年末)
出典: 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
年末柔道整復の施術所(か所)就業柔道整復師(人)
平成26年(2014)45,57263,873
平成30年(2018)50,07773,017
令和2年(2020)50,36475,786
令和4年(2022)50,91677,632
令和6年(2024)50,92478,666
出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

競争が激しい市場では、知名度のある看板や、集客・自費メニューの仕組みを最初から持てることが魅力になります。一方で、療養費(保険)の収入は抑制傾向が続いており、整骨院が廃業する理由7つでも触れたとおり、売上不振による倒産は過去最多の水準です。「看板を借りれば患者が来る」時代ではないことを前提に、加盟のコストに見合うかを冷静に見極める必要があります。

接骨院フランチャイズの費用を比較するときの項目

フランチャイズやグループ加盟の費用は、本部ごとに名称も体系もバラバラです。公式サイトで「加盟金0円」とうたっていても、研修費やシステム費、保証金が別にかかることもあります。比較するときは、次の項目をすべて埋めてから総額で比べるのが鉄則です。

費用項目支払う時期内容確認ポイント
加盟金(入会金)契約時屋号・ノウハウを使う権利の対価契約解除・中途解約時に返還されるか
保証金契約時ロイヤリティ未払いなどに備えた預け金返還の条件と時期、利息の有無
研修費・開業支援費開業前技術研修・運営研修・開業準備の支援研修の日数・内容、追加研修が有料か
物件取得・内装・機器開業前店舗の取得費、内装工事、治療機器、レセコン本部指定の業者・機器を使う義務があるか、相見積もりが可能か
ロイヤリティ毎月売上比例(○%)・定額(○万円)・粗利分配など算定の基礎が「総売上」か「自費売上のみ」か。保険売上を含むか
システム・広告分担金毎月予約システム、Web広告、共同広告の費用ロイヤリティとは別枠か、金額が変わる条件
更新料・違約金更新時・解約時契約更新時の手数料、中途解約の違約金違約金の計算方法、解約後の競業禁止の期間と範囲
KATAKORY編集部作成。項目名は本部によって異なる

物件・内装・機器の費用は、加盟の有無にかかわらず発生します。独立開業の場合の相場は接骨院の開業費用はいくら?内訳・融資・届出で整理していますが、参考として日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、全業種の開業費用は平均975万円・中央値600万円でした。フランチャイズの見積もりを受け取ったら、この水準と比べて極端に高くないか、どの費目で差が出ているかを確認しましょう。

ロイヤリティの方式は3タイプ

  • 売上比例型:月の売上の○%を支払う。売上が少ない月は負担も軽いが、売上が伸びるほど支払いも増える
  • 定額型:売上にかかわらず毎月○万円。売上が伸びれば割安になるが、開業直後や閑散期は重い固定費になる
  • 粗利分配型・その他:利益の一部や、患者1人あたりの金額で計算するなど。計算の基礎になる数字を本部がどう把握するかまで確認が必要

接骨院ならではの注意点は、ロイヤリティの算定に保険(療養費)の売上を含めるかどうかです。療養費は窓口負担分と保険者からの支払い分に分かれ、入金までに時間差があります。請求が返戻・減額されることもあるため、「請求額ベース」で計算するのか「入金額ベース」で計算するのかで実質の負担が変わります。療養費の流れは整骨院の保険請求の仕組みと2026年改定で確認してください。

ロイヤリティで手取りはどう変わる?月商別の試算

ロイヤリティの影響を実感するために、単純な試算をしてみます。以下は実在の本部の条件ではなく、計算方法を示すための仮の数字です。実際に検討するときは、本部から受け取った条件をこの表に当てはめてみてください。

月商売上比例5%売上比例10%定額10万円定額20万円
100万円月5万円(年60万円)月10万円(年120万円)月10万円(年120万円)月20万円(年240万円)
200万円月10万円(年120万円)月20万円(年240万円)月10万円(年120万円)月20万円(年240万円)
300万円月15万円(年180万円)月30万円(年360万円)月10万円(年120万円)月20万円(年240万円)
KATAKORY編集部による試算(仮の条件。消費税・広告分担金などは含まない)

たとえば月商200万円で売上比例10%なら、年間240万円、5年契約なら1,200万円を本部に支払う計算です。これに加盟金や広告分担金が加わります。この金額で「自力で集客・採用・教育をした場合」より多くの利益を生めるのかどうかが、加盟の損得を決める分かれ目です。

判断の目安:加盟しない場合に自分で払う「広告費・採用費・システム費・研修費」の合計と、加盟した場合の「ロイヤリティ+分担金」を、同じ月商で比べる。加盟のほうが高いなら、その差額以上の売上の上乗せを本部が実現できる根拠(既存院の実績)を求める。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

フランチャイズ加盟と独立開業の比較|メリット・デメリット

比較項目フランチャイズ・グループ加盟完全独立
開業準備物件選び・内装・機器選定を本部が支援。準備期間を短縮しやすいすべて自分で手配。自由度は高いが手間と時間がかかる
初期費用加盟金・保証金・研修費が上乗せ。指定業者で割高になることも加盟関連費はゼロ。居抜き・中古機器などで抑える工夫ができる
毎月の負担ロイヤリティ・システム費・広告分担金が固定的に発生本部への支払いはない。広告費・システム費は自分で判断
集客ブランド力・共同広告・Web集客のノウハウを使えるゼロから構築。地域での評判づくりに時間がかかる
施術・メニュー本部の自費メニューや施術体系を導入できる自分の得意分野で差別化できる
採用・教育求人の知名度、研修制度を利用できる場合がある自分で採用・育成。人が定着しないと規模を広げにくい
経営判断価格・内装・営業時間などに本部の基準があるすべて自分で決められる
撤退・転身中途解約の違約金、解約後の競業禁止に縛られる可能性閉院・移転・業態変更を自分の判断でできる
KATAKORY編集部作成

フランチャイズ・グループ加盟のメリット

  • 開業経験がなくても、物件選び・内装・レセプト・予約システムまで一式の仕組みを最初から使える
  • 屋号の知名度や共同広告で、開業直後の集客の立ち上がりが早くなる可能性がある
  • 自費メニューや物販など、保険以外の収益の柱を導入しやすい
  • 同じグループの院長同士で情報交換ができ、孤立しにくい

フランチャイズ・グループ加盟のデメリット

  • ロイヤリティなどの固定的な支払いが、売上が伸びない時期ほど重くなる
  • 近隣に同じブランドの院が出店し、患者を取り合うおそれがある(テリトリー保護の有無が重要)
  • 本部の方針変更や不祥事・評判の悪化の影響を、加盟院も受ける
  • 中途解約の違約金や、解約後の競業禁止(同じ場所で接骨院を続けられない等)で身動きが取りにくくなる

特に「近隣への同ブランド出店」は、当サイトの「ほねつぎチェーン」加盟院増で売上減?でも論点になった部分です。加盟院の数が増えることは本部にとっては成長ですが、個々の院にとっては商圏の奪い合いになりかねません。

接骨院フランチャイズは法定開示の対象外になりやすい|契約前に知っておくべき法律

フランチャイズ契約の前に本部が書面を交付して説明する義務は、中小小売商業振興法第11条に定められています。対象は「特定連鎖化事業」、つまり主として中小小売商業者に対し、商品を販売し、又は販売をあっせんし、かつ、経営に関する指導を行う事業(連鎖化事業)のうち、特定の商標等を使わせ、加盟金・保証金などを徴収するものです。

この場合、本部は契約前に次の事項を記載した書面を交付し、説明しなければなりません(第11条第1項)。

  1. 加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項
  2. 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
  3. 経営の指導に関する事項
  4. 使用させる商標、商号その他の表示に関する事項
  5. 契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項
  6. その他経済産業省令で定める事項

ただし、この法律はもともと小売業を想定した法律です。施術というサービスを提供する接骨院のフランチャイズは、本部から商品を継続的に仕入れる仕組みでなければ、この開示義務の対象にならないと考えられます。つまり、本部が自主的に書面を出さない限り、契約条件を体系的に知る手段がないことがありえます。

そこで拠りどころになるのが、公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(フランチャイズ・ガイドライン、令和3年4月28日改正)です。こちらは業種を問わず、フランチャイズ全般に適用されます。ガイドラインは本部が加盟希望者に開示することが望ましい事項として、次のようなものを挙げています。

開示が望ましい事項(公取委ガイドライン)接骨院での確認例
商品等の供給条件(仕入先の推奨制度など)治療機器・消耗品・サプリ等を本部指定で買う義務があるか
経営指導の内容・方法・回数・費用負担SV(スーパーバイザー)の訪問頻度、研修が有料か
加盟時に徴収する金銭の性質・金額・返還条件加盟金・保証金が返ってくる条件
ロイヤルティの額・算定方法・徴収の時期と方法保険売上を算定に含むか、請求額か入金額か
決済方法の仕組み・条件、融資の利率売上金を本部が一括で預かる仕組みか
損失補償・経営支援の有無と内容赤字時の支援、ロイヤリティ減免の条件
契約期間・更新・解除・中途解約の条件違約金の計算式、解約後の競業禁止の期間と範囲
ドミナント出店に関する契約条項と計画近隣への同ブランド出店の予定、テリトリー保護
出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(令和3年4月28日改正)をもとにKATAKORY編集部作成

「予想売上」を示されたら根拠と算定方法を確認する

ガイドラインでは、本部が予想売上や予想収益を示す場合、類似した環境にある既存店舗の実績など根拠のある事実や、合理的な算定方法に基づく必要があるとし、その根拠や算定方法を加盟希望者に示すことを求めています。また、モデル収益を示す場合は「予想売上ではないこと」を明示する必要があるとしています。達成が難しい売上予測を示したり、中途解約の違約金を開示しなかったりすることは、ぎまん的顧客誘引として問題になりうると整理されています。

少し古い調査ですが、公正取引委員会が平成23年に公表した「フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査」では、本部が示した予想売上や収支モデルについて、実際の額のほうが低かったと答えた加盟店が5割程度で最も多かったと報告されています。経営指導の内容、再契約の条件、ロイヤルティなどでも、本部の開示内容と実際が違ったという回答の割合が高かったとされています。業種全体の調査ではありますが、「説明を鵜呑みにしない」ことの重要性を示すデータです。

加盟しても免除されないもの|施術管理者の要件と保険請求の責任

フランチャイズに加盟すれば何でも本部がやってくれる、というわけではありません。健康保険を使った施術(受領委任)を扱うには、院ごとに施術管理者を置く必要があり、施術管理者になるには実務経験3年と所定の研修の修了が求められます(全国柔整鍼灸協同組合「施術管理者になるための要件」)。この要件は、加盟しても免除されません。

また、療養費の請求内容に責任を負うのは施術管理者本人です。本部の指導どおりに請求していたとしても、不正・不当な請求と判断されれば、受領委任の取扱いの中止などの処分を受けるのは院側です。「本部のマニュアルがあるから大丈夫」と考えず、請求ルールを自分で理解しておく必要があります。

  • 施術管理者の要件:実務経験3年+施術管理者研修の修了(加盟しても免除なし)
  • 施術所の開設届:開設後10日以内に保健所へ。構造設備基準は本部の店舗設計でも自分で確認
  • 広告の制限:柔道整復師法で広告できる事項は限られる。本部の広告物でも違反すれば院の責任
  • 請求の責任:施術録の記載・請求の適正性は施術管理者が負う

開業の届出や構造設備基準の詳細は接骨院の開業費用はいくら?内訳・融資・届出、国家資格が不要な整体での開業と比べたい場合は整体院の開業に資格は必要?も参考にしてください。

契約書で特に注意したい4つの条項

説明会やパンフレットでは魅力的な点が強調されがちですが、加盟後のトラブルの多くは契約書の細かい条項から生まれます。公取委ガイドラインが問題になりうる行為として挙げている例も参考に、接骨院の契約で特に確認したい条項を整理します。

1. 仕入れ・取引先の指定

ガイドラインでは、正当な理由なく本部が指定する業者との取引を強制したり、実際の必要量を超える仕入れを指示したりすることは、優越的地位の濫用にあたりうるとされています。接骨院では、治療機器のリース、テーピングなどの消耗品、物販用のサプリやインソールなどが対象になりやすい部分です。指定品の価格が市場価格と比べて妥当か、自分で調達してもよい範囲はどこまでかを確認しましょう。

2. 契約後の条件変更

契約期間中にロイヤリティの料率や広告分担金、システム利用料が本部の判断で変更できる条項になっていないかを確認します。開業時は割安でも、数年後に負担が増えれば資金計画が崩れます。変更できる場合は、その条件と加盟院の同意の手続きがどう定められているかが重要です。

3. 新しい事業・メニューの導入

本部が新しい自費メニューや機器、サービスを始めたときに、加盟院が導入を事実上断れない仕組みになっていないかも確認が必要です。ガイドラインでも、新規事業の導入を強要することは問題になりうる行為として挙げられています。導入が任意か、導入費用を誰が負担するかを契約書で確かめましょう。

4. 中途解約と競業禁止

最も影響が大きいのが撤退時の条項です。中途解約の違約金が「残りの契約期間分のロイヤリティ相当額」といった形で高額になっていないか、解約後に同じ場所や一定範囲で接骨院を営むことを禁じる期間がどのくらいかを確認します。過度な競業禁止もガイドライン上の問題行為の例として挙げられています。屋号を外して自院として続ける道が残っているかは、将来の選択肢を大きく左右します。

失敗しないフランチャイズ本部の選び方|比較の5つのポイント

  1. 総額で比べる:加盟金+保証金+研修費+(ロイヤリティ+分担金)×契約月数+違約金を、同じ月商の前提で計算する
  2. 既存院の実績を見る:開業後1〜3年の院の売上・患者数の分布(平均だけでなく下位の院も)を求める。可能なら加盟院のオーナーに直接話を聞く
  3. 保険と自費の比率を確認する:本部のモデルが保険売上に大きく依存していないか。自費メニューの単価と継続率の根拠
  4. テリトリーと撤退条件を確認する:近隣出店の制限、中途解約の違約金、解約後の競業禁止の期間・範囲
  5. 書面で受け取る:法定開示の対象外でも、公取委ガイドラインの開示項目に沿った書面を求め、口頭説明との食い違いを確認する

本部の情報開示書面を公開しているチェーンもあります。日本フランチャイズチェーン協会(JFA)は、会員本部の情報開示書面データベースを公開しています。接骨院の本部が掲載されているとは限りませんが、他業種の書面を見ておくと「どのレベルの情報を求めればよいか」の目安になります。

接骨院の開業形態を選ぶ流れ(KATAKORY編集部作成)
接骨院の開業形態を選ぶ流れ(KATAKORY編集部作成)

加盟までの流れと期間の目安

フランチャイズ・グループ加盟までの流れ
  • 1〜2か月
    情報収集・説明会
    複数の本部の説明会に参加し、費用の項目を同じ表に整理する
  • 2〜3か月
    既存院の見学・オーナー面談
    開業年数の近い院を見学。売上の実態、本部の支援の中身を聞く
  • 3〜4か月
    書面の受領・契約内容の確認
    開示書面・契約書のひな形を受け取り、違約金・競業禁止を確認。必要なら専門家に相談
  • 4〜6か月
    資金計画・融資申込
    公庫などに創業計画書を提出。ロイヤリティは毎月の支出として計画に入れる
  • 6か月〜
    物件決定・内装・開設届
    本部の支援を受けつつ、開設届・受領委任の手続きは院長として自分で確認

開業後の集客は、加盟していても自院でできることが多くあります。Googleビジネスプロフィールや紹介の導線づくりは接骨院の集客方法12選を参考にしてください。

フランチャイズ加盟が向いている人・独立開業が向いている人

タイプ向いている形態理由
臨床経験は十分だが経営・集客の経験がないフランチャイズ/グループ加盟仕組みを借りて立ち上がりを早め、学びながら運営できる
得意な施術・専門分野がはっきりしている完全独立自分の強みを前面に出した差別化ができ、ロイヤリティ負担もない
将来は多店舗展開したいグループ加盟または独立+請求団体契約上の出店制限がないか要確認。独立なら自由に展開できる
資金に余裕がなく、固定費を抑えたい独立(小規模・一人院)毎月のロイヤリティがないぶん損益分岐点を下げられる
まずは経営を経験したい分院長・雇われ院長として勤務リスクを抑えて経営感覚を身につけ、施術管理者の要件も満たせる
KATAKORY編集部作成

開業を急がず、まずは分院長や院長候補として働きながら経営を学ぶのも有力な選択肢です。雇用されながら施術管理者の要件を満たし、資金を貯めてから独立すれば、加盟するにしても条件を冷静に見極められます。院長候補の求人や年収の水準は柔道整復師の給料・年収の実態、業界の今後の見通しは柔道整復師の将来性で解説しています。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

接骨院のフランチャイズに関するよくある質問

Q
接骨院のフランチャイズの加盟金やロイヤリティの相場はどのくらいですか?
A

接骨院のフランチャイズは本部ごとに費用体系が大きく異なり、条件を公開していない本部も多いため、信頼できる「相場」はありません。加盟金・保証金・研修費・ロイヤリティ・広告分担金・違約金を同じ表に並べ、契約期間全体の総額で比較することをおすすめします。

Q
接骨院のフランチャイズは法律上の情報開示の対象ですか?
A

中小小売商業振興法第11条の書面交付・説明義務は、主として小売業者に商品を販売しつつ経営指導を行う事業が対象です。施術サービスが中心の接骨院フランチャイズは対象外となる場合があります。ただし公正取引委員会のフランチャイズ・ガイドラインは業種を問わず適用されるので、その開示項目に沿った書面を本部に求めましょう。

Q
フランチャイズに加盟すれば実務経験がなくても保険を扱えますか?
A

扱えません。受領委任で保険施術を行うには、院ごとに施術管理者を置く必要があり、施術管理者には実務経験3年と施術管理者研修の修了が求められます。この要件はフランチャイズに加盟しても免除されません。

Q
フランチャイズを途中で辞めることはできますか?
A

契約で定められた中途解約の条件に従えば可能ですが、違約金が発生したり、解約後一定期間は同じ場所や近隣で接骨院を営めない競業禁止の定めがあったりすることがあります。契約前に、違約金の計算方法と競業禁止の期間・範囲を必ず書面で確認してください。

Q
フランチャイズと独立では、開業資金の融資を受けやすいのはどちらですか?
A

加盟の有無だけで審査の有利不利が決まるわけではありません。どちらの場合も事業計画の妥当性や自己資金が重視されます。フランチャイズの場合は、ロイヤリティを毎月の支出として資金計画に正しく入れておくことが大切です。

まとめ:接骨院のフランチャイズは「総額」と「根拠」で比較する

接骨院の加盟形態には、フランチャイズ、ブランド/グループ加盟、請求団体の会員、そして完全独立があり、費用も経営の自由度も大きく違います。どれが得かは一律には決まらず、加盟金・ロイヤリティ・違約金を含めた総額と、本部の支援で上乗せできる売上の根拠を比べて判断する必要があります。

接骨院のフランチャイズは中小小売商業振興法の法定開示の対象外になりやすいため、公正取引委員会のガイドラインに沿った情報を自分から求める姿勢が欠かせません。そして、施術管理者の要件や保険請求の責任は、加盟しても院長自身が負います。説明会の印象ではなく、書面と既存院の実績で判断しましょう。迷ったときは、まず勤務しながら経営を学び、複数の本部の条件を同じ表で比べるところから始めてみてください。

参考・出典

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