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柔道整復師のダブルライセンス比較|鍼灸・あマ指・PTの年数と学費減免

柔道整復師のダブルライセンス比較 接骨院の求人情報
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柔道整復師が2つ目の国家資格を取るなら、第一候補は鍼灸です。

理由は3つあります。学校が両方の学科を置いていることが多く、同時に通える仕組みと学費の減免がそろっていること。保険の対象が「けが」と「慢性の痛み」で重ならず、施術の幅がそのまま広がること。そして、2つ目の学費を数十万〜100万円近く下げる制度が学校側に用意されていることです。

ただし、あん摩マッサージ指圧師や理学療法士との組み合わせにも、それぞれ向く人がいます。3通りの組み合わせを、年数・学費・国家試験・働き先の4つの物差しで並べてみました。

3つの組み合わせを一枚の表で比べる

どの資格も、指定された学校で3年以上学んでから国家試験を受ける点は同じです。違いが出るのは、通い方の自由度と、国家試験の受かりやすさ、資格を持つ人の多さでした。

柔道整復師+養成期間国家試験の合格率(2026年)就業者数(2024年末)
はり師・きゅう師3年以上はり67.2%・きゅう70.5%はり136,736人・きゅう134,730人
あん摩マッサージ指圧師3年以上85.0%119,703人
理学療法士3年以上89.7%(衛生行政報告例の対象外)
(参考)柔道整復師3年以上71.5%78,666人
出典: 厚生労働省『第34回柔道整復師国家試験の合格発表』・『第34回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表』・『第61回理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表』(2026年)/厚生労働省『令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況』(2025年)

合格率だけを見ると、鍼灸は柔道整復師と同じくらいの難しさです。あん摩マッサージ指圧師と理学療法士は8〜9割が受かる一方、入口の学校に入るまでのハードルが別にあります。

組み合わせ2つ目の通い方向いている人
柔整+鍼灸同時在籍(昼と夜)、1年ずらし、卒業後に再入学から選べる学校が多い開業を考えている人、保険と自費の両方で院を組み立てたい人
柔整+あマ指晴眼者が通える学校が少なく、選択肢は地域で限られる訪問マッサージや介護の現場で働きたい人
柔整+理学療法士別の学校(大学・専門学校)に入り直すのが基本病院・介護施設・スポーツ医療の組織で働きたい人
出典: 日本医専『W資格取得制度』(2026年10月31日参照)・森ノ宮医療学園専門学校『Wライセンス取得支援制度』(2026年10月31日参照)・あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第19条をもとに編集部作成

柔道整復師と鍼灸師、扱えるものはどう違うか

ダブルライセンスの価値は、二つの資格の守備範囲がどれだけ重ならないかで決まります。柔道整復師と鍼灸師は、この点で相性がいい組み合わせです。

項目柔道整復師はり師・きゅう師
主な施術骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷への施術鍼・灸による施術
健康保険(療養費)の対象急性・亜急性の外傷性の負傷神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症など
保険を使う条件骨折・脱臼は応急手当を除き医師の同意が必要医師の同意書が必要(支給は最長6か月ごとに再同意)
施術所の名称○○接骨院○○鍼灸院(併設時は「○○接骨院・○○鍼灸院」)
出典: 厚生労働省『柔道整復師の施術にかかる療養費について』・『はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱い』(2026年10月参照)

柔道整復の保険はけがが対象で、慢性の肩こりや腰痛は対象外です。一方、鍼灸の療養費は慢性の痛みを扱い、医師の同意書が前提になります。同じ患者さんでも、けがの時期は柔道整復、痛みが長引いた段階で医師の同意を得て鍼灸、と経過に沿って保険の受け皿を切り替えられる。単独資格の院ではできない動き方です。同意書の取り方ははり・きゅうの保険と医師の同意書にまとめています。

なお、鍼灸の療養費は、同じ病気で病院の治療を受けている期間は使えません。併用のつもりで同意書を受け取っても、通院状況しだいで自費になる点は患者さんへ先に説明しておく必要があります。

鍼灸を足すと、働き方の何が変わる?

保険に頼らないメニューを組みやすくなる

柔道整復の療養費は外傷に限られるため、慢性の痛みで来る患者さんには保険で応えられません。鍼灸は美容鍼やスポーツ鍼のように自費で提供しやすい施術でもあり、自費診療への移行を考える院にとって、メニューの柱を一本増やせる資格です。

求人で「鍼灸接骨院」の選択肢が開く

「鍼灸接骨院」「鍼灸整骨院」を掲げる職場では、両方の資格を持つ人が働きやすい。施術者1人で外傷と慢性痛の両方を診られれば、少人数の院ほど助かるからです。ダブルライセンスが効いてくるのは、新卒時より転職時だと編集部は見ている。院長候補や分院長を探す院にとって、両方の施術所の届出に名前を出せる人は貴重だからです。職場の見極め方は未経験・新卒の柔道整復師が求人で見るべき条件にまとめました。

開業時に二つの施術所を一か所で

一つの物件に接骨院と鍼灸院を併設する場合、施術所名は「○○接骨院・○○鍼灸院」と二つ並べる形がガイドラインで例示されています。一語にまとめた「○○鍼灸接骨院」は不可の例です。名前の決まりは接骨院の名前の付け方と規制で、鍼灸院側の届出と費用は鍼灸院の開業費用と手続きで扱っています。

資格者の数の伸び方も、鍼灸側が大きくなっています。

就業者数の推移(各年末)
出典: 厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)」

出典: 厚生労働省『令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況』(2025年)ほか各年の衛生行政報告例

10年ではり師は約2.8万人、柔道整復師は約1.5万人増えました。施術者が増えるほど「どちらか一つ」では埋もれやすくなる、という見方もできます。将来の見通しは柔道整復師の将来性で詳しく見ています。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

最短3年から6年まで、4つのルート

柔道整復と鍼灸の学科を両方置く専門学校では、2つ目の取り方を複数用意しているのが普通です。日本医専と森ノ宮医療学園専門学校の公開情報から、ルートを整理しました。

柔道整復師と鍼灸師を両方取る主なルート 出典: 日本医専『W資格取得制度』・森ノ宮医療学園専門学校『Wライセンス取得支援制度』(2026年10月)をもとに編集部作成
柔道整復師と鍼灸師を両方取る主なルート 出典: 日本医専『W資格取得制度』・森ノ宮医療学園専門学校『Wライセンス取得支援制度』(2026年10月)をもとに編集部作成

日本医専では、二つの学科に同時に在籍する場合、一方を昼間部、もう一方を夜間部にします。たとえば午前に柔道整復学科、18時20分からの夜間に鍼灸学科、という時間割です。最短3年で二つ取れる計算ですが、朝から夜まで学校にいる生活が3年続きます。

出典: 日本医専『W資格取得制度』(2026年10月31日参照)

森ノ宮医療学園専門学校は、1つ目を3年で取ってから2つ目を3年で取る6年プランを「おすすめ」とし、3年目から2つ目の学習を始めて合計5年で取る4・5年プランも置いています。

出典: 森ノ宮医療学園専門学校『Wライセンス取得支援制度』(2026年10月31日参照)

私たちは、最短ルートを選ぶのは「日中に働く必要がない人」に限るべきだと考えています。同時在籍の3年は、アルバイトや接骨院での助手経験を積む時間をほぼ取れません。卒業後の就職で効くのは、資格の数と同じくらい現場の経験です。

国家試験の日程も考えておきたいところです。あはき(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師)の試験は2月、柔道整復師の試験は3月に行われるため、同時在籍なら同じ年に両方を受けることになります。

出典: 厚生労働省『第34回柔道整復師国家試験の合格発表』・『第34回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表』・『第61回理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表』(2026年)

2つ目の学費はいくら下がるのか

1つ目の柔道整復学科だけで、東京の専門学校3校の公開額は3年間で約395万〜436万円です(柔道整復師の学費参照)。2つ目を正規の学費で払えば、単純に倍近くになります。そこで効いてくるのが、学校独自の減免です。

学校・制度対象減免の中身減免額
日本医専 W資格取得制度3〜5年で両方取る人(2つ目の学科)入学金20万円+3年間の授業料から75万円95万円
日本医専 有資格者優待制度S柔整・はり師・きゅう師などの有資格者が夜間部に入学3年間の授業料柔整夜間部100万円/鍼灸夜間部75万円
森ノ宮 在校生・卒業生優遇制度同学園の在校生・卒業生(在校生・卒業生入試)入学金全額免除+3年間の学費から90万円最大110万円
森ノ宮 医療資格者優遇制度同学園以外の出身で医療系国家資格を持つ人(医療人入試)学納金30万円
出典: 日本医専『W資格取得制度』(2026年10月31日参照)・森ノ宮医療学園専門学校『Wライセンス取得支援制度』(2026年10月31日参照)
2つ目の学科に使える学費減免の上限
出典: 日本医専・森ノ宮医療学園専門学校 公式サイト(2026年10月)

森ノ宮の110万円は上限で、同校のページには、柔道整復学科の夜間コースに入った場合の例として「入学金10万円+3年間の学費から30万円の総額40万円」が載っています。学科や昼夜で減免額が変わるため、表の数字をそのまま自分に当てはめないでください。また日本医専では、一方の学科を退学すると通常の学費に戻ります。

出典: 森ノ宮医療学園専門学校『Wライセンス取得支援制度』(2026年10月31日参照)・日本医専『W資格取得制度』(2026年10月31日参照)

費用対効果は年収の数字では測れない

「ダブルライセンスで年収はいくら上がるのか」は、もっとも聞かれる問いです。正直に書くと、国の統計からは答えが出ません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師が「その他の保健医療従事者」という一つの区分にまとめられていて、令和7年の平均は月給31万8,600円、賞与71万8,300円(年収に直すと約454万円)です。二つ持つ人だけの数字はありません。

出典: 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』(2026年)

そのため、費用対効果は「回収できる場面があるか」で考えるのが現実的です。資格手当がつく職場、鍼灸の自費メニューを任される職場、あるいは自分で開業して二つの施術所を持つ場合。どれにも当てはまらないなら、2つ目の学費は回収しにくいでしょう。それぞれの年収の実態は柔道整復師の給料・年収と鍼灸師の給料・年収にあります。

想定で計算してみます。2つ目の学科に正規で約400万円かかり、減免で95万円下がったとすると、自己負担は約305万円。月2万円の資格手当がつく職場なら回収に約13年、鍼灸の自費施術で月10万円の売上を上乗せできる院なら約3年です。手当や売上の額は職場次第なので、あくまで考え方の例として見てください。

あん摩マッサージ指圧師や理学療法士と組むなら

あん摩マッサージ指圧師:学校探しが最初の壁

あん摩マッサージ指圧師の国家試験は合格率85.0%と高い一方、2026年の受験者は1,070人しかいません。視覚障害者の職業を守るため、あはき法第19条で、目の見える人向けの養成施設の新設や定員増が抑えられているからです。

出典: 厚生労働省『第34回柔道整復師国家試験の合格発表』・『第34回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表』・『第61回理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表』(2026年)/『あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律』(厚生労働省 法令等データベース)

鍼灸と合わせた3資格を取れる学科(あはき科)を持つ学校もありますが、数は限られます。訪問マッサージの仕事に関心があるなら有力な組み合わせです。詳しくはあん摩マッサージ指圧師の年収と資格を参照してください。

理学療法士:医療機関の中で働くなら

理学療法士は、理学療法士及び作業療法士法で3年以上の養成が定められた別系統の資格で、柔道整復師の学歴による年数の短縮はありません。2026年の合格率は89.7%です。接骨院よりも、病院・介護施設・スポーツチームのように組織の中で働く道を広げる資格だといえます。

出典: 厚生労働省『第34回柔道整復師国家試験の合格発表』・『第34回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表』・『第61回理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表』(2026年)/理学療法士及び作業療法士法 第11条(e-Gov法令検索)

学費の面では、森ノ宮の医療資格者優遇(30万円)のように、医療系国家資格を持つ人を対象にした減免を設ける学校があります。逆に理学療法士が柔道整復師を取りにくる場合も同じ制度が使えることがある。介護の現場では、柔道整復師も理学療法士も機能訓練指導員の仕事と給料になれる資格です。

“取ったのに使わない”を避けるために

ダブルライセンスで後悔する人の多くは、取る前に使い道を決めていません。

  • 3〜6年の在学中、収入と現場経験が減る(同時在籍ならほぼゼロに近い)
  • 国家試験を2回突破する必要がある。既卒になると柔道整復師の合格率は大きく下がる
  • 勤務先が鍼灸を扱わなければ、資格は履歴書の一行で終わる

2つ目の国家試験で不合格になった場合の重さも見ておきたい点です。柔道整復師の第34回の合格率は新卒90.3%に対し既卒32.9%でした(柔道整復師国家試験の合格率の推移参照)。両方を同じ年に受けるなら、片方に落ちたときの1年をどう過ごすかまで決めておくと安心です。

出典: 公益財団法人柔道整復研修試験財団『回数別 受験者数等一覧』(2026年)

迷っているなら、1つ目を取って働きながら考える、という選択も十分にありです。卒業生向けの減免を用意している学校なら、数年後に戻っても条件は大きく変わりません。資格を活かして業界の外に出る道も含めて考えたい人は柔道整復師の異業種転職も見てください。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

細かい疑問に答えます

Q
柔道整復師を持っていると、鍼灸の学校は短くなりますか?
A

短くなりません。はり師・きゅう師も3年以上の養成が法律で決まっていて、柔道整復師の資格による年数の免除はありません。学校によっては授業料の減免があり、日本医専の有資格者優待制度Sでは鍼灸学科夜間部の授業料が3年間で75万円減免されます。

Q
同時在籍の3年で、両方の国家試験に受かる人はどのくらいいますか?
A

同時在籍した人に限った合格率は、国や学校の公開資料では確認できませんでした。全体の合格率は柔道整復師71.5%、はり師67.2%、きゅう師70.5%(いずれも2026年)で、どちらも3割前後が不合格になる試験です。

Q
鍼灸を先に取って、あとから柔道整復師を取る順番でもいいですか?
A

問題ありません。森ノ宮医療学園専門学校の事例紹介には、柔道整復を先に学んだ人と鍼灸を先に取った人の両方が出てきます。日中に通えるか夜に通えるかで、先に在籍する学科を決める方法も日本医専が紹介しています。

Q
働きながら2つ目を取ることはできますか?
A

夜間部を使えば可能です。日中に接骨院で柔道整復師として働き、夜に鍼灸学科へ通う形が一般的です。社会人が使える国の給付金(専門実践教育訓練給付金)の条件は柔道整復師の学費で整理しています。

Q
ダブルライセンスだと開業資金は増えますか?
A

施術所を二つ届け出るため、構造設備の基準をそれぞれ満たす必要があります。内装や備品をどこまで共用できるかは保健所との相談次第です。鍼灸院側の費用の目安は鍼灸院の開業費用と手続きにあります。

参考・出典

参照日: 2026年10月31日

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