PR

柔道整復師国家試験の合格率推移|2015〜2026年の12回分と新卒・既卒の差

柔道整復師国家試験の合格率推移 接骨院の求人情報
記事内に広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。

柔道整復師の国家試験は「難しくなった」とよく言われます。実際の数字はどうなのでしょうか。結論から言うと、直近の第34回(2026年3月実施)の合格率は71.5%で、過去10年ではもっとも高い水準でした。一方で、第31回(2023年)は49.6%と初めて5割を下回り、その後も57.8%〜71.5%と年ごとの上下が大きくなっています。

もう一つの大きな特徴は、新卒と既卒の差です。第34回の新卒合格率は90.3%でしたが、既卒(2回目以降の受験者)は32.9%にとどまりました。過去12回の既卒合格率は11.5%〜35.9%で、一度不合格になると合格が難しくなる試験だといえます(出典:柔道整復研修試験財団「回数別 受験者数等一覧」)。

この記事では、厚生労働省と指定試験機関である柔道整復研修試験財団の公表データをもとに、2015年〜2026年の受験者数・合格者数・合格率の推移、合格率が上下する背景、試験科目と合格基準、他の医療系国家資格との比較、2027年(第35回)の日程までを整理します。受験生だけでなく、新卒採用を考える接骨院の院長にも役立つ内容です。

この記事の要点:①第34回(2026年)の合格率は71.5%(受験者4,434名・合格者3,170名) ②2015〜2026年の合格率は49.6%〜71.5%で推移し、年ごとの振れ幅が大きい ③新卒は65.4%〜90.3%、既卒は11.5%〜35.9%と大差 ④合格基準は必修問題80%以上かつ一般問題60%以上の絶対評価 ⑤第35回は2027年3月7日実施・3月26日発表

柔道整復師国家試験とは?受験資格・試験日・合格発表の基本

柔道整復師国家試験は、柔道整復師法にもとづいて厚生労働大臣が年1回行う国家試験です。試験の実施事務は、指定試験機関の公益財団法人柔道整復研修試験財団が担当しています。受験できるのは、大学に入学できる人のうち、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した養成施設で3年以上学び、必要な知識と技能を修得した人(卒業見込みを含む)です(厚生労働省「柔道整復師国家試験の施行」)。

項目内容(第35回)
試験日2027年(令和9年)3月7日(日)
試験地北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県
出願期間2026年12月21日(月)〜2027年1月13日(水)※書留郵便は1月13日消印まで
受験手数料23,900円
受験票2027年2月18日(木)に投函・郵送
合格発表2027年3月26日(金)午後2時(厚労省・財団のホームページで受験地・受験番号を掲載)
試験方法筆記試験(必修問題50問・一般問題200問)
出典:厚生労働省「柔道整復師国家試験の施行」(令和8年9月1日)、出題数は第34回合格発表の合格基準より
第35回柔道整復師国家試験のスケジュール
  • 2026年9月1日
    試験の施行を公告
    厚生労働省が試験日・出願期間などを発表
  • 2026年12月18日
    受験上の配慮の申出期限
    視覚・聴覚などに障害がある人は財団へ申し出る
  • 2026年12月21日〜2027年1月13日
    出願期間
    受験願書・写真・卒業(見込)証明書を財団へ提出
  • 2027年2月18日
    受験票の発送
    会場は受験票で案内される
  • 2027年3月7日
    試験日
    筆記試験(必修50問・一般200問)
  • 2027年3月26日 14時
    合格発表
    厚労省・財団のホームページに受験番号を掲載

柔道整復師国家試験の合格率の推移(2015〜2026年)

まずは過去12回分の数字を見てみましょう。下の表は、財団が公表している「回数別 受験者数等一覧」から、第23回(2015年3月実施)から第34回(2026年3月実施)までを抜き出したものです。年度表記ではなく、試験を実施した年で示しています。

試験年(回)受験者数合格者数合格率新卒合格率既卒合格率
2015(第23回)6,858名4,503名65.7%80.8%14.7%
2016(第24回)7,115名4,582名64.4%82.3%22.6%
2017(第25回)6,727名4,274名63.5%82.9%22.5%
2018(第26回)6,321名3,690名58.4%78.5%16.7%
2019(第27回)6,164名4,054名65.8%86.1%26.3%
2020(第28回)5,270名3,401名64.5%84.8%16.5%
2021(第29回)4,561名3,011名66.0%85.6%21.6%
2022(第30回)4,359名2,740名62.9%81.0%16.9%
2023(第31回)4,521名2,244名49.6%65.4%11.5%
2024(第32回)5,027名3,337名66.4%84.0%35.9%
2025(第33回)4,513名2,607名57.8%75.9%14.2%
2026(第34回)4,434名3,170名71.5%90.3%32.9%
出典:柔道整復研修試験財団「回数別 受験者数等一覧」(第31〜34回は厚生労働省の合格発表の数値と一致)
柔道整復師国家試験 合格率の推移(2015〜2026年)
出典: 柔道整復研修試験財団「回数別 受験者数等一覧」

グラフを見ると、全体の合格率は2015〜2022年は58〜66%の範囲に収まっていましたが、2023年に49.6%まで下がり、2024年66.4%、2025年57.8%、2026年71.5%と、1年ごとに10ポイント前後上下する動きに変わっています。新卒の合格率も、2023年の65.4%から2026年の90.3%まで25ポイント近い差があります。

受験者数と合格者数はこの10年で約3割減

受験者数は、2016年の7,115名をピークに減り続け、2022年には4,359名になりました。2026年は4,434名で、2016年と比べると約38%少ない水準です。合格者数(=新たに柔道整復師の資格を得られる人の数)も、2016年の4,582名から2026年は3,170名に減っています。

柔道整復師国家試験 受験者数・合格者数の推移(2015〜2026年)
出典: 柔道整復研修試験財団「回数別 受験者数等一覧」

さらに長い目で見ると、第1回(1993年3月実施)から第10回(2002年3月実施)までの受験者数は毎年1,000〜1,400名台でした。第11回で2,454名、第18回(2010年3月実施)で7,156名と急増し、その後は減少に転じています(柔道整復研修試験財団「回数別 受験者数等一覧」)。この時期は合格率も、第10回までの78〜90%台から、60〜70%台へと下がっています。

合格者が減るということは、毎年新しく現場に入る柔道整復師も減るということです。接骨院・整骨院側から見ると、新卒の採用競争が厳しくなる要因の一つになります。採用市場の状況は接骨院の求人の出し方、業界全体の見通しは柔道整復師の将来性で解説しています。

合格率が低い・上下する理由は?データから読み取れる背景

「柔道整復師の合格率は低い」と言われる理由について、厚生労働省や財団が公式に原因を発表しているわけではありません。ここでは、公表データで確認できる事実と、一般的に指摘されている要因を分けて整理します。

理由1:既卒受験者の合格率が極端に低い

全体の合格率を押し下げている最大の要因は、既卒受験者の合格率の低さです。過去12回の既卒合格率は11.5%〜35.9%で、もっとも低い2023年は約9人に1人しか合格していません。新卒で不合格になった人が翌年以降も受験を続けるため、既卒者の割合が増えるほど全体の合格率は下がります。

理由2:合格基準が「絶対評価」で、問題の難易度がそのまま合格率に出る

柔道整復師国家試験の合格基準は、第31回から第34回まで毎回「必修問題50問中40点以上(80%以上)」かつ「一般問題200問中120点以上(60%以上)」で同じです(第34回・第33回・第32回・第31回の合格発表)。合格者数の枠が決まっている試験ではないため、その年の問題が難しければ合格率は下がり、易しければ上がります。年ごとの大きな上下は、この仕組みと関係していると考えられます。

理由3:必修問題で8割が必要

必修問題は、基礎的な知識を確認する問題ですが、80%以上という高い正答率が求められます。一般問題で合格点を取れていても、必修問題で40点に届かなければ不合格です。「必修で落ちる」ことを防ぐ学習が欠かせません。

理由4:問題によっては採点の扱いが変わる

毎年、一部の問題は「複数の選択肢を正解とする」などの採点上の扱いが行われます。たとえば第31回は午前第123問・午後第57問・第69問の3問、第34回は午前第67問が対象でした(第31回・第34回の合格発表)。自己採点の結果と実際の得点がずれることがあるため、発表までは結果を断定しないことが大切です。

一般的に指摘される要因(公式見解ではありません):養成校ごとの教育体制や国家試験対策の差、在学中の学習時間の確保、就職活動や実習との両立などが挙げられます。学校選びの際は、各校が公表する合格実績を新卒・既卒別に確認しましょう。

難易度を他の医療系国家資格と比較

同じ2026年に実施された医療系の国家試験と合格率を比べてみます。数値はすべて厚生労働省の合格発表によるものです。

資格(2026年実施の試験)合格率出典
理学療法士89.7%厚生労働省 合格発表
作業療法士91.2%厚生労働省 合格発表
あん摩マッサージ指圧師85.0%厚生労働省 合格発表
臨床検査技師84.7%厚生労働省 合格発表
診療放射線技師76.2%厚生労働省 合格発表
柔道整復師71.5%厚生労働省 合格発表
きゅう師70.5%厚生労働省 合格発表
はり師67.2%厚生労働省 合格発表
臨床工学技士65.7%厚生労働省 合格発表
出典:厚生労働省「国家試験合格発表」(令和8年実施分)
医療系国家試験の合格率比較(2026年実施)
出典: 厚生労働省 各国家試験の合格発表(令和8年)

柔道整復師の71.5%は、理学療法士(89.7%)や作業療法士(91.2%)より約20ポイント低く、はり師(67.2%)・きゅう師(70.5%)と近い水準です。しかも2026年は柔道整復師にとって「合格率が高かった年」で、50〜60%台の年も珍しくありません。医療系国家資格の中では、合格しにくい部類に入るといえます。

なお、柔道整復師と鍼灸師(はり師・きゅう師)の資格を両方取る人もいます。鍼灸院の開業については鍼灸院の開業費用と手続きを参考にしてください。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

試験科目・問題数・合格基準

試験科目は、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規の11科目です(厚生労働省「柔道整復師国家試験の施行」)。出題は必修問題50問と一般問題200問の合計250問です。

区分問題数配点合格基準
必修問題50問1問1点(50点満点)40点以上(80%以上)
一般問題200問1問1点(200点満点)120点以上(60%以上)
合否250問—必修・一般の両方で基準を満たすこと
出典:厚生労働省「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について」

出題範囲の目安になるのが、財団が公表している「柔道整復師国家試験出題基準」です。財団のサイトでは過去の国家試験問題も公開されています。過去問は出題傾向をつかむのに欠かせませんが、正答は厚生労働省の合格発表ページに掲載される「正答」で確認しましょう。

学校別の合格率はどこで調べる?公表データの読み方

「柔道整復師 学校別 合格率」といった検索も多く見られます。ただし、厚生労働省が発表しているのは全体の受験者数・合格者数・合格率と、受験地ごとの合格者の受験番号で、学校ごとの合格率は公表していません。学校別の数字は、各養成校が自校のホームページやパンフレットで公表しているものを見ることになります。

学校の合格実績を比べるときは、次の点に注意しましょう。

  1. 新卒だけの数字か、既卒を含むか:新卒合格率だけを載せている学校もあります。全国の新卒合格率(2026年は90.3%)と比べると公平です
  2. 受験者数が書かれているか:分母が小さいと合格率は大きく動きます。合格者数と受験者数の両方を確認します
  3. 複数年の数字か:本試験の合格率は年ごとに10ポイント以上動くため、1年だけでなく3〜5年分を見ます
  4. 卒業できなかった人や受験を見送った人の扱い:入学者に対して何人が合格したかも、説明会などで確認すると安心です
柔道整復師になるまでの流れ(KATAKORY編集部作成。既卒合格率は2015〜2026年の範囲)
柔道整復師になるまでの流れ(KATAKORY編集部作成。既卒合格率は2015〜2026年の範囲)

合格発表はいつ・どこで確認する?

合格発表は例年3月下旬です。第35回は2027年3月26日(金)午後2時に、厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページと財団のホームページに、受験地と受験番号が掲載されます(厚生労働省「柔道整復師国家試験の施行」)。同じ日に、全体の受験者数・合格者数・合格率と合格基準、正答も公表されます。

合格したら、柔道整復師名簿への登録申請をして免許を受けます。登録の手続きは財団が案内しています。就職先がすでに決まっている人も、免許の登録が済むまでは柔道整復師として施術できない点に注意しましょう。

合格率から考える養成校の選び方と国家試験対策

ここまでのデータから、柔道整復師を目指す人にとって大事なのは「新卒で一発合格する」ことです。新卒と既卒では合格率に3〜6倍の差があるためです。

見るポイント確認すること理由
合格実績新卒合格率・受験者数を3〜5年分年ごとの上下が大きく、1年分では判断できない
国家試験対策模試の回数、補講、個別指導の有無必修80%・一般60%の両方を確実に超える必要がある
卒業までのサポート留年・休学の扱い、学習相談の体制受験できる状態で卒業できるかが前提
就職支援求人の紹介、接骨院・病院との連携合格後の進路まで考えて選ぶ
KATAKORY編集部作成

国家試験の勉強では、まず過去問を繰り返し解いて必修問題で確実に8割を取れるようにし、そのうえで一般問題の苦手科目をなくしていくのが基本です。関係法規は柔道整復師法や療養費の仕組みに関わる内容で、開業後にも役立ちます。保険請求のルールは{IL_HOKEN}でも解説しています。

合格後の働き方や収入が気になる人は、柔道整復師の給料・年収の実態や柔道整復師の求人で未経験・新卒が見るべき7条件もあわせて読んでみてください。将来、独立を考えている人には接骨院の開業費用が参考になります。また、資格を使わない整体院との違いは整体院の開業に必要な資格で整理しています。

柔道整復師国家試験に関するよくある質問

Q
柔道整復師国家試験の最新の合格率は?
A

第34回(2026年3月1日実施)は受験者4,434名・合格者3,170名で、合格率は71.5%でした。新卒は90.3%、既卒は32.9%です(厚生労働省・柔道整復研修試験財団)。

Q
合格率がもっとも低かったのはいつですか?
A

第1回以降でもっとも低いのは第31回(2023年3月実施)の49.6%です。新卒65.4%、既卒11.5%で、いずれも過去12回でもっとも低い数字でした。

Q
2027年(第35回)の試験日と合格発表日は?
A

試験日は2027年3月7日(日)、合格発表は3月26日(金)午後2時です。出願期間は2026年12月21日〜2027年1月13日、受験手数料は23,900円です。

Q
合格基準は何点ですか?
A

必修問題50問中40点以上(80%以上)、かつ一般問題200問中120点以上(60%以上)の両方を満たすと合格です。どちらか一方でも届かなければ不合格になります。

Q
働きながら夜間部に通っても合格できますか?
A

夜間部でも3年以上学べば受験資格を得られます。国は昼間部・夜間部別の合格率を公表していないため、通う予定の学校に夜間部の合格実績(新卒・受験者数)を直接確認するのが確実です。

まとめ:合格率の「推移」を見れば、一発合格の重要性がわかる

  • 第34回(2026年)の合格率は71.5%。2015〜2026年は49.6%〜71.5%で、年ごとの振れ幅が大きい
  • 新卒は65.4%〜90.3%、既卒は11.5%〜35.9%。一度落ちると合格が難しくなる
  • 合格基準は必修80%以上・一般60%以上の絶対評価。問題の難易度がそのまま合格率に出る
  • 受験者数は2016年の7,115名から2026年は4,434名に減少。新しく資格を得る人も減っている
  • 第35回は2027年3月7日実施・3月26日発表。出願は2026年12月21日〜2027年1月13日

柔道整復師は、合格すれば接骨院・整骨院、病院、介護施設、スポーツ分野など活躍の場が広い資格です。合格者が減っている今は、資格を持つ人の価値が高まっているともいえます。就職・転職を考えている人は、求人を早めにチェックしておきましょう。院長の方は、新卒採用の進め方を接骨院の求人の出し方で確認してください。

柔道整復師・理学療法士の求人・転職情報

働き方・給与・職場選びのポイントは本文の各章で解説しています。

参考・出典

タイトルとURLをコピーしました